胸痛でERに搬入された症例の心電図
👶 解説
- V1誘導の高いR波,V1-V3のST-T変化(ストレイン・パターン),右軸偏位などは右室負荷を示唆する.しかし身体所見で中心静脈圧の上昇を示唆する所見はなし.
- 本例は最終的には不安定狭心症と診断され,右冠動脈中間部(#2で右室枝分岐部の遠位部)にステントを留置した.胸部誘導の陰性T波はその後に陽転化した.
😳 呟き
- 本例で気になったのは胸部誘導のV4誘導のみT波が陽性であった点.これはV3・V5・V6で陽性T波なのにV4のみ陰転化している小児の孤立性陰性T波(➜ 心房中隔欠損を示唆/Int J Cardiol 2000;74:115-24)の真逆である.もちろん本例には先天性心疾患はなく,孤立性陽性T波の原因は右冠動脈領域の心筋虚血と考えられた.ただし心電図変化の詳細なメカニズムは不明であるが…
(投稿者 川崎)
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