- 1800年代前半にオーストリアの物理学者クリスチャン・ドップラーがドップラー効果を発見(Gesellschaft der Wissenschaften vom 1842;5:25)
- 1800年代後半にフランスの物理学者キュリー兄弟が圧電効果(物質に圧力をかけると電圧が発生する現象)を発見(Comptes rendus hebdomadaires des séances de l'Académie des sciences 1881;93:1137-40)
- 1916年にフランスの物理学者ポール・ランジュバンが水晶の圧電効果を利用して世界で初めて超音波の発生に成功(その後,世界大戦中の対潜水艦ソナーに応用)(French patent 1916;502:913)
- 1940年頃,オーストリアの神経学者カール・ドゥッスイックが超音波を医学に応用(脳腫瘍の診断を試みたが有用性は?)(Z Neurol Psychiat 1942;174:153)
- 1954年にスウェーデンの物理工学者ヘルツと医師エドラーが超音波を心臓に応用(僧帽弁狭窄症のAモード,その後にMモード)(Kungl Fysiogr S llsk i Lund F rhandl 1954;24:1-19)➜ 実際の画像はココ
- 1956年に産業科学研究所の研究者である里村茂夫(41歳で夭折)と大阪大学の内科医である仁村泰治がドプラ法を開発(Jpn Circ J 1956;20:227)
- 1965年に日本無線の研究者である内田六郎と東北大学の内科医の田中元直が断層法(Bモード)を開発(ただし誰が世界初かは諸説あり)(Sci rep res inst tohoku univ med 1965;12:58-74)
- 1984年にアロカの研究者である滑川孝六と東京大学の外科医である尾本良三がカラードプラ法を開発(Jpn Heart J 1984;25:325-40)
😀 おまけ
- カラードプラの色は向かってくる血流を赤色で示します(逆は青色).これは開発者の一人である尾本良三先生(上記)が,「向かってくる奴は情熱の赤だ」と決めたからだそうです.しかしこれは物理学や天文学の定義(遠ざかる光源は赤く見える=赤方偏移)とは真逆です(逆は青方偏移).僕は心エコー図で赤いシグナルを見ると,この歴史を時々思いだします.おまけついでに循環器領域ではドップラーではなくてドプラと記載すると習いました.
(上図は赤方偏移で下図は青方偏移:引用)
(投稿者 川崎)
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