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2021-02-04

ATRA アトラ 症候群(All-trans retinoic acid syndrome)

  • 定義 急性前骨髄球性白血病(APML)の分化誘導療法の治療後に見られる合併症
  • 症状 発熱や呼吸困難,胸水・心嚢液貯留,低酸素血症.腎不全,多臓器不全など
  • 頻度 ATRA投与2日〜3週目に生じ成人では12/196人(6%),小児は1/17人(6%)
  • 予後 死亡率は30~50%(デキサメタゾン投与で5%まで減少:重症例はATRA延期)


ATRA症候群を合併した急性前骨髄球性白血病の1例

👻 おまけ
  • レチノイン酸症候群(Retinoic acid syndrome、RAS)とも呼ばれますが,必ずしもATRA(トレチノイン)誘発性でなく,悪性前骨髄球自体に依存して発現するようです.よって分化症候群(Differentiation Syndrome)という名称への変更が検討されているようです,
  • ATRA分化誘導療法は中国のWangらが報告(完全寛解96%という驚くべき効果:Blood 1988;72:567-72).実は先立って中国の専門誌に同じ内容の論文を報告したのですがほとんど注目されなかったようです().一流誌Bloodでの報告後に世界各国で追試が行われ,自血病の治療手段の一つとして確立されました.

(投稿者 川崎)

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