👀 フォシーガ®(商品名)
- 現時点で糖尿病の有無にかかわらず心不全治療に利用できる唯一のSGLT2阻害薬
- オリジナルの臨床試験DAPA-HF(N Engl J Med 2019;381:1995-2008)の対象は左室駆出率40%以下であったが,同薬の添付文書の記載は「左室駆出率の保たれた慢性心不全における本薬の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること」で,左室駆出率の具体的な値は明記されていない.
- 糖尿病に対しては「重度の腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎不全患者では本剤の血糖降下作用が期待できないため、投与しないこと」および「糖尿病の血糖コントロール改善を目的として使用している患者においては、継続的にeGFRが45mL/min/1.73m2未満に低下した場合は投与の中止を検討すること」と記載されている.
- 一方,慢性心不全に対しては「本剤では腎機能低下に伴う血中濃度の上昇が報告されている。また、eGFRが30mL/min/1.73m2未満あるいは末期腎不全(ESRD)の患者を対象とした臨床試験は実施していない」の記載に留まる.
👳 独り言
- 心不全に対する利尿薬にはループ利尿薬(例:フロセミド),サイアザイド系利尿薬(例トリクロルメチアジド/フルイトラン®),抗アルドステロン薬(例:アルダクトン),V2受容体拮抗薬(例:バソプレシン/サムスカ®)がありました.SGLT2阻害薬は5番目の心不全利尿薬などと呼ばれています.
- 利尿薬は服用のタイミングが大切です.例えば外出前や眠前にフロセミド内服すると,頻回のトイレでQOLが著しく低下します.フォシーガ®は5mgでも10㎎でも1日1回の投与と決められていますが(添付文書),心不全症例に対して服用する場合は朝5㎎+昼5㎎などの分割投与は意味がないのかな~って気になります.
(投稿者 川崎)
0 件のコメント:
コメントを投稿