カンファレンス中の一コマ 💨
- 研修医 「サチュレーションは100%で正常でした」
- 指導医 「室内気で酸素飽和度100%は正常なの?」
- 研修医 「100%…正常…異常??」
- 指導医 「呼吸数はどうだったん?」
- 健常者のSpO2は96-99%とされています。しかしSpO2=100%でアラームは鳴りません。SpO2=100%は安全域か否かは原因によると思います。
- 室内気でSpO2=100%になる原因として多いのは過換気状態です。過換気状態になる原因として代表的な病態は過換気症候群です。
- 一方、過換気状態には過換気症候群以外にもさまざまな病態があります。体表的な病態と具体的な疾患を下の表にまとめます。
参考)内科救急見逃し症例カンファレンスM&Mでエラーを防ぐ(医学書院 2012;53-8)
病態 | 想定される疾患 |
疼痛、発熱や交感神経亢進による呼吸数増加 | 大動脈解離、急性心筋梗塞、急性腹症、感染症、骨折、甲状腺機能亢進症、薬物中毒(アンフェタミン中毒など)、セロトニン症候群など |
呼吸中枢障害による呼吸数増加 | 脳血管疾患(脳出血、脳梗塞、クモ膜下出血) |
低酸素に対する代償で呼吸数増加 | 急性呼吸不全(気管支喘息、肺炎など)、急性心不全、肺塞栓症など |
代謝アシドーシスに対する代償性過換気 | 糖尿病ケトアシドーシス、敗血症など |
呼吸筋麻痺による換気量低下に対する代償で呼吸数増加 | ギランバレー症候群、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、重症筋無力症など |
🎻 振り返り
- 今回、救急外来で経験した症例は、急性虫垂炎の痛みにより過換気状態になりSpO2=100%(室内気)になっていたと考えられました。
(投稿者 中西)
0 件のコメント:
コメントを投稿