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2021-07-27

先天性QT延長症候群:周術期管理

  • Bazett式による修正QT時間が440 msec以上と定義され5,000人に1人の割合で性差なし
  • 常染色体優性遺伝Romano-Ward症候群では7つの染色体に10種の異常が報告されている
  • 常染色体劣性遺伝形式で両側性感音性難聴を伴うJervell & Lange-Nielsen症候群は2種
  • 患者頻度はLQT1が40%,LQT2が30~40%,LQT3が10%でこの3つで90%以上を占める
  • 概略 LQT1は運動制限(水泳),LQT2は音注意(目覚まし),LQT3はメキシレチン有効



👺 QT延長症候群の周術期管理・対策ガイドラインのP55~57)
  • 洞不全症候群や房室ブロックの既往または徐脈症状が明らかな症例にはあらかじめ右心室にペーシングリードを挿入して手術を行う.
  • 心筋梗塞や左室拡大を伴う大動脈弁閉鎖不全症を合併しなければ侵襲的なモニタリングや術前の治療は必要ないと報告されている.
  • 先天性LQTSのTdp発作が術中に起こった場合,LQT1とLQT2ではβ遮断薬の静注,LQT3ではメキシレチンの静注が第一選択である.
  • 術中の心筋虚血や心室への過剰な水分負荷,電解質異常(例:低カリウム血症や低マグネシウム血症)では不整脈が起こりやすくなる.
  • 術中に心室細動に移行した際は速やかに電気的除細動を行う(尤も心室細動や心停止の既往を有する者はICDのクラス1適応である).

(投稿者 川崎)

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