- 低分子量Gタンパク質Rhoと結合するセリン・スレオニン蛋白リン酸化酵素であり、平滑筋細胞の収縮、各種細胞の形態制御、遊走、遺伝子発現制御など様々な生理機能における情報伝達系として機能する。
- RhoキナーゼにはROCK1とROCK2の2つのアイソフォームがあり体内に広く発現しているが、ROCK2は特に脳と骨格筋に強く発現している。
Rhoキナーゼ阻害薬(現在上市されている薬剤は2つ)
- エリル®点滴静注液30mg(ファスジル)
[効能効果]くも膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状の改善
- グラナテック®点眼液0.4%(リパスジル)
[効能効果]次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症
ファスジルの冠攣縮抑制効果
- 冠攣縮部位ではRhoキナーゼのmRNA発現やRhoキナーゼ活性が亢進しており、この活性亢進はファスジルの投与により抑制されることが明らかにされている。
- 臨床的にもいくつかのエビデンスが得られているが、現在、ファスジルの使用は静脈内投与に限られており、経口薬の開発が望まれる。
- Rhoキナーゼ阻害薬は、冠攣縮の有望な治療薬となる可能性がある。
(投稿者 小森)
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