急性期脳梗塞の血栓溶解療法(t-PA投与)は発症から4.5時間以内である必要があります.それ以降の投与では2次的な頭蓋内出血の頻度が増加するためです.一方,脳梗塞には発走時間が不明である症例が少なくありません(約25%).例えば就眠中に脳梗塞を発症し起床時に麻痺が判明する場合です(いわゆるwake-up
stroke).このような症例では発症早期でもt-PAによる恩恵にあずかれない不幸が起こり得ます.そこで役立つのがDWI-FLAIRミスマッチです.
- DWI=Diffusion Weighted Imaging(拡散強調画像)➜ 脳梗塞を発症30分〜異常検出
- FLAIR=fluid-attenuated inversion recovery(フレアー)➜ 塞発症4〜6時間で異常
- つまりDWI異常+FLAIR正常(ミスマッチ)なら発症4.5時間以内と判断してt-PA投与
- 実際の臨床試験でもDWI-FLAIRミスマッチの有用性は確認(Lancet 2020;396:1574-84)
(投稿者 川崎)
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