左室一過性内腔拡大
運動負荷Tl心筋シンチグラムの短軸像で一過性内腔拡大を定量化するプログラム(Transient
Dilation Index: TDI)(上)と罹患病変数とTDIの関係を示すグラフ(下)
💚 解説
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左室一過性内腔拡大は現在ではQGSプログラムなどで自動的に算出される。
- planar像のみの時代にもこの所見に気付いており、SPECTが利用できるようになった時に定量する方法を考案した。
- 内腔トレースは困難なので、短軸像で中心から36本の直線をひき、その直線上の最大カウントで囲まれる面積を算出し、負荷後像と後期像の面積比Transient Dilation Index(TDI)を内腔拡大の指標とした(上図)。
- 上段左は負荷時、右は負荷時の短軸中央スライスを表示してある。
- 中心から10度毎36本の直線をひき、その直線状の最大カウントの点で囲まれる運動負荷時の面積(白)と後期像の面積(緑)の比をTDI(正常上限は1.11)として表示した。
- 心電図同期をしていない画像からであり、今となっては過去の遺物かもしれないが、多枝病変検出には役立つ結果が得られた(下図)。
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思い出
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研究会でこの発表をしたところH大のK先生から“とても信じられないデータで”という言葉で始まる質問を受け、檀上で怒りをあらわにしたことがある。
- 心臓核医学に情熱を傾けていた若かりし日のいい思い出である。
- TDIはその後、肥大型心筋症および大動脈弁狭窄症の心内膜下虚血の評価にも応用された。
※「輝きを放つ一枚」の過去の投稿は
コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)
(投稿者 杉原)
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