肥大型心筋症の心筋虚血
肥大型心筋症の1例における負荷Tlの初期像と後期像(上)と他症例の短軸像(下)
肥大型心筋症の1例における負荷Tlの初期像と後期像(上)と他症例の短軸像(下)
💚 解説
- 負荷時に心尖部と中隔前壁接合部(敢えてこのように表現)に集積低下が認められ、後期像で再分布している。
- 下図では負荷時の左室一過性内腔拡大が明瞭である。
- 肥大型心筋症は冠動脈狭窄がないにもかかわらず、心筋虚血を生じる代表的疾患である。
- 心筋虚血は肥大型心筋症の自然史および病態に大きな役割を果たしていると考えらえる。その虚血の検出には運動負荷心筋血流イメージングが最適である。
- 集積低下は中隔と前壁の接合部、中隔と後壁の接合部、中隔、心尖部の順に高頻度である。負荷時の一過性左室内腔拡大所見は心内膜下のTlの集積低下による“見かけ上の拡大”であり、心内膜下虚血の反映として重要である。
👤 ひとり言
- 肥大型心筋症の臨床研究をする優れた仲間に恵まれ、約150例の運動負荷心筋イメージングを施行する機会を得た。
- 約30数例を外来でfollowさせていただいたが、年に1回核医学検査をさせていただくことが多かった。
- RIに携わっていることを皆ご存じで、患者さんの方から“そろそろRIの検査ですね?”と言われることも度々あった。
- 心電図は前回と比較して“変わりませんね”と伝えるが、数年前と比べると変化していることをよく経験する。
- 予後予測とともに、本疾患の自然史の中で、現在がどの時期かを把握して長期followすることが重要であるといつも感じている。
※「輝きを放つ一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)
(投稿者 杉原)
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