閉塞性動脈硬化症 乳がん 肺がん
運動負荷Tl心筋SPECTの撮像後に下肢を撮像(上)、Tl心筋イメージングのplanar像(中)AMIのPYP/Tl同時投与によるイメージングのplanar像(下)
済生会滋賀県病院循環器内科提供
済生会滋賀県病院循環器内科提供
💚 解説
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(上)Tlの下肢筋肉への集積に左右差があることがわかる。虚血性心疾患が疑われ、本検査が施行されたが、検査前の問診で、間欠性跛行らしき症状のあることがわかり、追加撮像した。閉塞性動脈硬化症は言わば“足の狭心症”であり、3分の下肢撮像は運動負荷時の左右の血流分布の差としての補助情報となり得る。
- (中)左中肺野および左腋窩部にTlの集積があり、精査の結果、乳がんと診断された。
- (下)右上肺野のTlの異常集積が認められる。精査の結果、肺がんと診断された。
Tlは腫瘍シンチグラムとしても使用される核種であり、心臓目的に検査された時に偶然に腫瘍発見の契機になることがある。
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裏話
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カルテを見ると、最近ではABIを検査されている症例が多く、その数値から下肢動脈狭窄が疑われれば、追加撮像するようにしている。
- Tl少量再静注が流行ったころに検討したが、下肢筋肉へのTlの集積は安静時に比し、最大運動負荷時には3-4倍増加するようである。
- (画像を見る順)
①planar像 ②白黒のSPECT像 ③カラー表示のSPECT像 ④Bull‘s eye表示 ⑥QGS解析 ⑦自動診断の順を心がけている。planar像で全体を眺めることは心臓診断の補助情報になるのはもちろん、偶然の心臓外情報の発見のためにも大切である。
※「輝きを放つ一枚」の過去の投稿は
コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)
(投稿者 杉原)
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