三段脈を利用したPESP
運動負荷/安静時Tc-99m-tetrofosmin 心筋SPECTおよびそのQGS解析
Kawasaki T, et al : Clin Nucl Med 27 : 223-224, 2002
💚 解説
-
負荷時の下壁の集積低下は安静時にわずかに改善しているtetrofosmin像である。
- 安静時像を撮像しようしている時であった。
-
“不整脈が多いので心電図同期をどうしましょう”と技師さんから連絡があった。
- よく見ると、心室期外収縮の三段脈であった。
-
R-R
intervalのヒストグラムを見ると、三種類の山があり、これはそれぞれコントロール心拍、期外収縮直後心拍、期外収縮心拍に相当する。
-
このヒストグラムアからpost extra systolic potentiation
(PESP)が評価できると直感し、検査終了まで3段脈が続くことを祈った。
-
祈りが通じ、コントロール心拍と期外収縮後心拍のQGS解析を作成することができた。
-
コントロール心拍(左)では下壁がsevere hypokinesisを示しているが、期外収縮後心拍(右)では同部位の壁運動が改善している。
-
PESPによる壁運動評価から下壁の心筋はviableであることを示す所見である。
👤
うら話
-
ペーシングカテーテルを用いて三段脈を作成し、心プールシンチグラフィでPESPの評価を試みたことがあった。
- 苦労して三段脈を作成したことが、このひらめきにつながった。
- 偶然を生かせる場面がごくまれにあり、臨床の醍醐味である。
※「輝きを放つ一枚」の過去の投稿は
コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)
(投稿者 杉原)
0 件のコメント:
コメントを投稿