中隔梗塞
Tl/BMIPP dual SPECTのBull’s
eye像(左がTl、右がBMIPP)(上)と受診時の心電図(下)
Harimoto K et al : Oman Medical Journal ; Vol 34 No 3:257-261 ; 2019
💚 解説
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繰り返す胸部不快感を訴えた男性がクリニックを訪れ、心電図ではV1、2でST上昇、前壁誘導と側壁誘導で陰性T波が見られたため紹介した。
- CKは823、トロポニンTは陽性であった。
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緊急冠動脈造影では左前下行枝に有意狭窄はなかったが、第二中隔枝のみ造影遅延が認められた。
- IVUSでruptureしていないプラークが確認された。
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IVUS施行後に造影遅延は消失したためinterventionは施行されなかった。
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第4病日に施行されたTl/BMIPPのdual
SPECTではTlは正常像、BMIPPは中隔中部に中等度の集積低下というミスマッチが認められた。
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うら話
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著者がクリニックから紹介した症例である。心電図から左前下行枝病変の急性冠症候群と予想したが、きわめて稀な中隔枝単独梗塞であった。
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再灌流がなされ、梗塞範囲が狭く、解剖学的variationもあることから正確な部位診断の困難な中隔単独梗塞の虚血評価にTl/BMIPPが有用であった。
※「輝きを放つ一枚」の過去の投稿は
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(投稿者 杉原)
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