🎯 今週の一枚

持続する胸痛で来院した症例

✋ WPW症候群

• 一見，下壁誘導や側壁誘導でST部分の水平～下降型の低下
• aVR誘導ではST部分の上昇もあり ➜ 虚血性変化なら重症
• 当初は救急室で左主幹部あるいは多枝病変疾患が疑われた
  
• しかしよく見るとPQ間隔が短縮しデルタ波も存在している
• ベットサイド心エコー図では明らかな左室壁運動異常なし
• 後日カテーテル検査を行ったが冠動脈に狭窄病変を認めず
• 胸痛の原因は同定できなかったが，数日の観察で消失した

👌 追加コメント

• 胸痛＋多誘導でST低下＋aVRでST上昇＝重症の虚血性心疾患と早合点された症例．ST-T部分の変化の判定は，正常伝導であることが大前提
• 脚ブロックやペーシング波形では以前の心電図と比較することが大切．以前の心電図がないときはスガルボッサ基準やスミス基準を思い出したい．

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（投稿者　川崎）