緩和医療で用いられることが多い手技ですが,通常の日常臨床でも利用することがあるのでまとめておきます.以下の文言と図は
終末期がん患者の輸液療法に関するガイドライン(2013年版)
からの抜粋です.
👀 皮下輸液の実施法
- 1mL/分の滴下速度(1.5L/日まで,刺入部が 2 カ所の場合は 3.0L/日まで)
- 500mL/h の投与速度を超えない
- 1~4 日毎に注射針,チューブを交換する
- 刺入部の浮腫,発赤,痛み,感染,液漏れなどを観察する
👌 皮下投与が可能な薬剤
- 等張液(生理食塩液※,5%ブドウ糖液,1,3 号液,各種リンゲル液)
- ビタミン類※(C,B1,B2,B6,B12,K,葉酸,ニコチン酸)
- 抗菌薬(βラクタム系,モノバクタム系,クリンダマイシン,アミノグリコシド系)
- 抗精神病薬(ハロペリドール),ベンゾジアゼピン系(ミダゾラム,ジアゼパム)
- 麻薬類(モルヒネ※,ペンタゾシン※)
- 抗コリン薬(ブスコパンなど),メトクロプラミド
- 抗ヒスタミン薬(クロルフェニラミン※,ジフェンヒドラミン)
- ステロイド,インスリン※,ヘパリン※,トラネキサム酸,リドカイン,フロセミドなど
※添付文書上,皮下投与が可能なもの。
その他は経験的に使用されており,安全であることを保証する論文はない。
🚫 皮下投与が不可である薬剤
- 上記以外の抗菌薬,パミドロネート,ジゴキシン,フェニトイン,ジアゼパムなど
(投稿者 川崎)
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