🍚 検査前の食事内容
- 12-18時間の絶食単独では心筋への18F-FDG集積抑制が不安定であることから,絶食前の食事を低炭水化物糖質制限食に切り替えることが推奨される.この場合炭水化物は5g未満とする.
- 18F-FDG投与前の高脂肪食を追加する報告が散見されるが,現時点では単独では明らかなエビデンスはない.
- 糖尿病患者では血糖コントロールがついている状況で非糖尿病患者と同様のプロトコールで行うことを推奨.長時間絶食の場合は低血糖に留意することが必要である.
- 18F-FDG PET/CT 前のルーチンとしてのヘパリン投与は推奨しない.
- 実際の判定方法 -
- A:心筋に18F-FDGの集積を全く認めないもの(none)。陰性所見である。
- B-1:心筋に局在性の18F-FDG集積を認めるもの(focal)。本所見は陽性と判定される。しかし、局在性の集積を示す他の心疾患(例:虚血性心疾患、肥大型心筋症など)の除外が必要である。また、正常者でも側壁領域の18F-FDG集積が報告 されるケースがあり、同領域の局在性集積は陽性と判定しないとする報告もある。また、中隔基部の限局性集 積や心基部の全周性集積なども、生理的集積である可能性が指摘されている。見解は一致していないが、これらの領域への18F-FDG集積に関しても取り扱いに注意を要する。これらの偽陽性所見に対して、心筋血流像との対比が鑑別に役 立つとの意見がある。
- B-2:心筋にびまん性の18F-FDG集積が認められるが、そのなかに局在性の強い集積が存在するもの(focal on diffuse)。 本所見は、一般に陽性と判定される。しかし、偽陽性例が含まれる可能性も指摘されているので、注意を要する。また、 心機能低下例や心不全症例では、絶食条件下でも心筋びまん性の18F-FDG集積を伴うことがあるので、この場合の判定は むずかしい。
- C:左室壁全体にびまん性の18F-FDG集積があるが、局所的な高集積を認めないもの(diffuse)。病理組織学的検討から、 サルコイドーシスの心筋病変はびまん性ではなく局在性であることが知られているので、このようなタイプの18F-FDG集積は異常集積とは判定されない。
🍩 心疾患のPET適応
- 虚血性心疾患による心不全患者における心筋組織のバイアビリティ診断(他の検査で判断のつかない場合に限る)
- 心サルコイドーシスの診断(心臓以外で類上皮細胞肉芽腫が陽性でサルコイドーシスと診断され、かつ心臓病変を疑う心電図又は心エコー所見を認める場合に限る)又は心サルコイドーシスにおける炎症部位の診断が必要とされる患者に使用(※投稿者補足:つまり疑い症例では適応なし)
※ 令和2年3月5日 保医発0305第1号 の349ページから抜粋
💁 PETに関する過去の投稿 ➜ コチラ
(投稿者 川崎)
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