南アジアから帰国後に水溶性下痢が続く症例の便
💦 解説
- 中央に円形のオーシスト(接合子嚢・成熟卵嚢子)
- 赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)は認めず
- 一般採血は正常(白血球数およびCRPは正常範囲内)
- PCR検査でサイクロスポーラであることを確認した
- 本例は1週間のST合剤の内服で症状は改善・消失した
💧 サイクロスポーラ症(Cyclosporiasis)
- 原虫 Cyclospora cayetanensis で汚染された食品または水を介した糞口感染により発症する(潜伏期間は約1週間).
- リスクは流行地域への渡航やAIDSのような細胞性免疫が低下した宿主で,ヒトからヒトへ直接的な伝播の可能性は低い.
- 我が国では食品汚染に関するデータはない.診断は便中のオーシスト鏡検やDNA検出で,第1選択の治療はST合剤である.
参考)食品安全委員会
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(投稿者 川崎)
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