二方向性心室頻拍
- 1拍毎にQRS波の軸が180°変化する心室頻拍で,多形性心室頻拍の一種.カテコラミン誘発多形性心室頻拍(Catecholaminergic Polymorphic Ventricular Tachycardia: CPVT)に対する特異度は高いが,その出現率は必ずしも高くない(感度は50%程度).
等頻度房室解離
- 房室解離(洞結節からの興奮伝導が伝わる前に房室結節が興奮)のうち,P波とQRS波の周期がほぼ同じ状態(P波がQRS波の前後に出没).英名は isorhythmic atrioventricular dissociation で,房室弁の閉鎖時に心房収縮が生じるため心房圧上昇(cannon a wave)と血圧低下を来たし得る.
顕性WPW症候群
- A型(最多)はV1誘導のデルタ波は陽性で波形はR型(R>S)=ケント束は左房-左室.B型はV1誘導のデルタ波は陽性で波形はrS型(R<S)=ケント束は右房-右室.C型(稀)はV1誘導でデルタ波は陰性で波形はQS型(Rなし)=ケント束は中隔.
- Ⅱ,Ⅲ,aVF誘導でΔ波がすべて陽性ならケント束は弁輪の前壁,すべて陰性なら弁輪の後壁,不一致なら弁輪の側壁に存在(例:デルタ波がV1誘導で陽性かつ波形はrS型,下壁誘導で全て陰性なら,ケント付着部位は三尖弁輪の後壁)
- デルタ波の極性は(最も早いQRS)の開始点から20 msの地点で判定
心房粗動
- 三尖弁輪を反時計方向に旋回する通常型(common type,約90%)と時計方向に旋回する非通常型(uncommon type)がある.心房粗動の約9割は通常型でV1誘導ではF波がP波(陽性)のように見える.一方,非通常型ではV1では陰性P波のようにみえる.(※この分類はWellsの分類で,最近では前者を通常型反時計回り(common type AFL),後者を通常型時計回り(reverse common type AFL)とする.この場合の非通常型(uncommon type AFL)は三尖弁輪以外を旋回する心房粗動)
- P波が陽性か陰性か分かりにくいときは,他誘導で明瞭なP波を見つけて,その時相で判断すればよい
※参考書籍:改訂3版 心電図検定2級/3級 公式問題集&ガイド,他
💁 心電図マイスターに関する過去の投稿 ➜ コチラ
(投稿者 川崎)
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