- 概念 グルクロン酸抱合の障害に起因して非抱合型ビリルビンの血中濃度が増加した先天的疾患
- 名称 米小児科医 Crigler とレバノン系米小児科医 Najjar(AMA Am J Dis Child 1952;83:259-60)
- 原因 常染色体劣性(潜性)遺伝によるUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT1A1)活性欠損や低下
- 病型 血清Bil値が30-50 mg/dlがtype I,6-20 mg/dlがtype II,1-5 mg/dlならGilbert症候群(GS)
- 疫学 type 1は1,000万人に約1人,Type 2は100万人に約1人,Gilbert症候群は全人口の3.0-8.6%
- 症状 核黄疸による筋緊張低下,傾眠,後弓反張,けいれん他で,慢性化すれば筋緊張亢進など
- 治療 type 1は光線療法を継続し肝移植,type 2やGSは新生児期の光線療法のみでその後は不要
- 予後 type 1は予後不良であるが,それ以外の予後は良い(20 mg/dl未満でほとんど異常なし)
ビリルビンクリアランスの遺伝性疾患に関与するトランスポーターと酵素の概略図
略語:Alb, アルブミン; BCRP, 乳がん耐性タンパク質; BMG, ビリルビン
モノグルクロニド; BDG, ビリルビン ジグルクロニド;
GST, グルタチオン-S-トランスフェラーゼ;
MRP, 多剤耐性関連タンパク質; OATP, 有機アニオン輸送タンパク質; UCB, 非抱合型ビリルビン; UGT, ウリジン二リン酸グルクロノシルトランスフェラーゼ
(投稿者 川崎)
1 件のコメント:
体質性黄疸としてクリグラー-ナジャー症候群,ジルベール症候群,デュビン-ジョンソン症候群およびローター症候群を学生時代に習いました。臨床講義に毎年出てこられ、協力されている
デュビン-ジョンソン症候群の方がおられましたが、松下記念病院で再会し、何とHCMでした。
偶然の合併か?
ビリルビンだけが軽度高値の2例を長尾先生に紹介したところいずれもジルベールとのことで、
比較的多い症候群のようです。
元上司
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