下腹部で来院した症例
🔒 解説
- 恥骨結合部に骨硬化像と周囲の軟部影の増生が目立つ
- 当初は虫垂炎を疑ったが同疾患を示唆する所見はなし
- CT後に恥骨の結合部に明瞭な圧痛点があることを確認
- 環状断や矢状断(下図左と中)でも恥骨結合炎を示唆
- MRIのSTIRでも同部位の信号上昇を確認(下図右の赤丸)
- 恥骨結合炎と診断してNSAIDs処方(初期は抗菌薬併用)
- 本例の誘因は不明で化膿性を示唆する所見はなかった
🔓 恥骨結合炎(Arthritis of the pubic symphysis)
- 概略 左右恥骨を結合する線維軟骨円板に炎症が生じた整形外科的疾患
- 誘因 恥骨筋,長・短内転筋,大内転筋など恥骨に接合する筋肉の酷使
- 患者 アスリートに多いが帝王切開や婦人科,泌尿器科の手術後にも有
- 診断 初発で正診された例は54%にすぎない(例:診断までに1-37日)
- 治療 生活指導と鎮痛薬,化膿性なら6週間以上の抗菌薬やドレナージ
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(投稿者 川崎)
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