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2018-01-25

身体所見 収縮性心内膜炎 vs 心タンポナーデ

収縮性心膜炎
  • 心音心膜ノック音=拡張早期の過剰心音(高調音を広範囲に聴取)
  • 頸静脈 ➜ W型あるいはM型=深いy谷(心内圧dip and plateauのdipに相当)
  • 呼吸変化 ➜ Kussmaul徴候=吸気時に頸動脈の怒張(通常は吸気時に減弱する)

心タンポナーデ
  • 心音 ➜ 特記所見なし(減弱あるいは心膜炎初期なら心膜摩擦音はありえるが・・・)
  • 頸静脈 ➜ y谷の消失(心周期を通じて持続的な圧迫を受けるため)=V sign
  • 呼吸変化 ➜ 奇脈=吸気時の収縮期血圧が10mmHg以上低下(通常は3-9mmHgの低下)

Kussmaul徴候は心不全や肺塞栓でも出現することあり
※奇脈は肺塞栓,出血性ショック,COPD,緊張性気胸でも出現する
※心膜液かつ>12mmHg以上の奇脈なら心タンポナーデの陽性尤度比5.9
収縮性心膜炎で奇脈は稀,同様に心タンポナーデKussmaul徴候は稀

🔮 収縮性心膜炎は心エコー図でも気づきにくいから身体所見で疑うことが重要 🔮

参考:白石裕一先生の心タンポナーデ.心エコー 2018;19:70-76

(投稿者 川崎)

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