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2019-07-30

閉塞性肥大型心筋症の降圧薬

心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)より(2019年7月閲覧)

一般的治療 🙌
  • 閉塞性肥大型心筋症では,ACE阻害薬やARBのように血管拡張作用を有する薬剤は左室流出路狭窄を増強させる可能性が高いことから,これらの薬剤の使用は望ましくない.(42ページ)

高血圧を合併した肥大型心筋症 🙇
  • 高血圧性心疾患の進展予防・退縮には厳格な血圧コントロールが有効であるが,閉塞性肥大型心筋症では血管拡張作用の強いジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬やレニン–アンジオテンシン系阻害薬投与が流出路圧較差を悪化させる可能性がある.(51~52ページ)

左室流出路圧較差・左室中部圧較差 薬物療法 🙅
  • カルシウム拮抗薬は,β遮断薬が何らかの理由(副作用など)で投与できない症例に投与する.過去に有効としていた報告はべラパミルによるものがほとんどであり,また,用量も通常わが国で用いられる用量よりも多く,用いる場合は副作用に注意しながら最大耐用量まで増加することが望ましい.(45ページ)
  • ジルチアゼムについては,ほとんどエビデンスがなくβ遮断薬およびべラパミルが投与できない症例に対してのみ選択を考慮.ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬(ニフェジピン)は,左室内圧較差を増加させるため使用すべきではない.(45ページ)
  • 症候性の安静時および誘発性左室流出路閉塞を伴う労作時息切れ改善目的の低用量のループあるいはサイアザイド利尿薬の投与 推奨クラスⅡb(表31)
  • 左室流出路閉塞を有する患者における血管拡張作用のある薬剤や陽性変力作用を有する薬剤(ジギタリスなど) 推奨クラスⅢ(表31)

👴 独り言
  • β遮断薬やべラパミルでは血圧管理が難しい閉塞性肥大型心筋症の症例も存在する.実際の臨床現場では,自覚症状や聴診,心エコ-図などで流出路狭窄の増悪がないことを慎重に確認しながら,ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬やレニン–アンジオテンシン系阻害薬を投与することも稀ではないと思う.

(投稿者 川崎)

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