☂ 臨床現場
- 骨髄増殖性疾患とCTEPH(慢性血栓塞栓性肺高血圧症:chronic thromboembolic pulmonary hypertension)が合併する症例が続いたので調べてみました
肺高血圧は2009年のダナポイント分類とその改訂版である2013年のニース分類,および本邦のガイドラインで共に5つの群に分類されている
- 第1群:肺動脈性肺高血圧症
- 第2群:左心性心疾患に伴う肺高血圧症,
- 第3群:肺疾患および/または低酸素血症に伴う肺高血圧症
- 第4群:慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)
- 第5群:詳細不明な多因子のメカニズムに伴う肺高血圧症
前述のガイドラインでは骨髄増殖性疾患は第5群の血液疾患に含まれているが,肺高血圧のメカニズムは不明(多因子)と記載されCTEPHには言及していない.ヨーロッパのガイドラインでは2009年版で骨髄増殖性疾患がCTEPHのリスクになることが示唆されたが,2015年の改訂版では削除されている.しかし最近,骨髄増殖性疾患とCTEPHの関連を示す報告が散見される.
☀ その一例:Int J Mol Sci 2020;21:3339
☀ その一例:Int J Mol Sci 2020;21:3339
- CTEPH 40例中4例(10%)が遺伝子変異を有し,その内3例はJAK2遺伝子の異常
- 同遺伝子異常は骨髄増殖性疾患のリスクで,その頻度はCTEPH例で有意に高率
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(投稿者 川崎)
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