- 頭痛と頸部痛が初発症状であった急性心筋梗塞例を経験しました.性状は「チクチクした痛み」であり,来院時には症状は改善していました.心電図にも特記すべき異常はなく一旦帰宅されましたが,その数日後にST上昇型心筋梗塞(STEMI)を発症
- 本例の症状が虚血と関連していたとは断定することはできません.しかし胸痛以外に肩痛,歯痛,頸部痛,頭痛が虚血性心疾患の症状になりえることには要注意です.同様の症例を以前,当院循環器内科の専攻医が症例報告にまとめてくれました(下図).
- 論文には記載していませんが,本例は頭痛と頸部痛で他院を受診して頭部CTで問題なかったため帰宅を指示されました.その数時間後にショック状態で当院に搬入されました.緊急で冠動脈インターベンションを行いましたが救命はできませんでした.
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- 心筋の虚血や梗塞によって頭痛が生じる正確な機序は不明ですが,やはり関連痛(求心路が同じ二次ニューロンに収束)が疑われています.その他の説として,心拍出量の減少による脳血流の低下や静脈還流量の減少に伴う脳圧の上昇,心筋梗塞時に放出される内因性化学物質(セロトニンやサブスタンスPなど)の脳血管痛覚神経への直接作用などが提唱されているようです.
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(投稿者 川崎)
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