- 直腸がん手術では、縫合不全を予防するために、一時的ストーマを造設することがある。その際、回腸また横行結腸が選択されることが多い。回腸は手技が簡便であるが、腎機能低下やストーマ関連合併症をきたすリスクが高い。(日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌 2021;37:158)
- 回腸ストーマでは、High-output stoma (HOS) の発生が問題となる。排液が1500-2000mL/dayを超える場合、HOSとされることが多い。報告では、回腸ストーマ造設3週以内にHOSとなるのは16%、3週以降になるのは4%である。HOSの原因として3週以内では、敗血症や薬剤性が挙げられる。3週以降の原因として、短腸やイレウスなどが挙げられる。(Surg Today 2020;50:703-10)
- 人工肛門造設後1か月の腎機能は、造設時のものと比較して有意に低下していた。そして、人工肛門閉鎖後も腎機能は改善しない報告が散見される。小腸からの多量の排液や、大腸における水分の吸収不良による脱水が、腎機能低下に関連する。そのため、人工肛門造設時の水分や電解質の管理が腎機能低下を予防することにつながると考えられる。(Surg Today 2020;50:703-10)
(投稿者 平野)
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