拡張相肥大型心筋症
拡張相肥大型心筋症の一例のTlとBMIPPそれぞれのイメージングの経年変化
Sugihara H et al : Clin Nucl Med 25 : 206-207,2000
💚 解説
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初診時50才代女性、検査を開始した1990年ではTlは心尖部が軽度集積低下しているのみであるが、BMIPPでは心尖部に加え、中隔前壁接合部および中隔後壁接合部、さらに中隔も集積低下している。経年的にBMIPPの集積低下はその程度および範囲とも高度となり、Tlの集積低下はそれに遅れ、BMIPPの集積低下を追いかけているような像を呈している。
拡張相肥大型心筋症の自然歴(病期)、心筋病変の進行速度と関連した所見と推定される。
本症は心筋症の家族歴が多く、拡張型心筋症よりも症状が重症で、治療抵抗性心不全に陥り、心室性不整脈の合併が多く予後不良である。
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ひとり言
- この症例を10年余り外来でfollowした。
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予後不良であることをよく理解された優しい夫は、毎年1回旅行に連れて行きたいと相談に来られた。
- 旅先で悪化した時ようの紹介状を手渡し、許可をだしていた。
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その紹介状が使用されることはなかったが、一度だけ旅行から帰った時にかなり心不全が悪化して外来へ来たことが思い出される。
- 外来主治医を交代した数年後に死亡した。
※「輝きを放つ一枚」の過去の投稿は
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(投稿者 杉原)
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