- 当院の循環器内科の本田先生が執筆された論文が出版されました
- 僧帽弁逸脱による逆流でフォロー症例の雑音が急に変化しました
- Ⅱ音まで持続していた収縮期雑音がⅡ音100 ms前に終了(下図)
- 心エコー図では以前と比較して僧帽弁逆流が減少しⅡ音前に終了
- 下肢挙上で逆流がⅡ音まで持続したため脱水に伴う音変化と診断
👶 追加コメント
- 僧帽弁逸脱のクリックと逆流音は前負荷や後負荷によって大きく変化することが知られています(本例ではクリックなし).基本は「前負荷が増加 ➜ 左室容積が増加 ➜ 逸脱が遅れる」または「前負荷が減少 ➜ 左室容積が減少 ➜ 逸脱が早まる」です(過去の投稿).
- これらの変化はクリック出現と雑音開始のタイミングであり,雑音はⅡ音まで持続することが原則です.しかし本例では雑音の開始点ではなく終了点が変化していました.雑音がⅡ音手前で終了する変化を心音図で記録した報告は(検索範囲では)ありませんでした.
- 本例では逆流程度の減少に加えて,左心室の拡張末期容積や左心房容積指数も減少していました.心音図の提示はありませんが,逸脱による逆流雑音では収縮早期に終了する症例も稀ではないという記載を見つけました(J Am Coll Cardiol 1989;13:1053-61).
💁 論文の過去投稿は コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)
※ 心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶
(投稿者 川崎)
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