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2023-01-07

🏆 論文

  • 当院の初期研修医である間瀬先生が総合診療科で経験した症例が出版されました
  • 息切れと倦怠感で当院の搬入 ➜ 最終的には4時間後に死亡(血培から大腸菌検出)
  • 剖検は未施行ですが,総合的にWaterhouse-Friderichsen syndromeが疑われました

(Open J Clin Med Case Rep 2022; 1894)

😀 追加コメント
  • 学会発表の準備中,コルチゾール濃度に対する興味が湧いたので保存していた検体を用いて測定してみました(論文の出版後).ウォーターハウス・フリードリヒセン症候群の本体は副腎出血による副腎不全であるため,コルチゾール低値を予想したのですが,本例では正常値を少し上回っていました.診断の正当性を疑う声もでました.
  • しかし調べていくうちに面白い症例報告を見つけました.例えば,一時点でのコルチゾール値は上昇しているが24時間値では正常範囲内(Radiation 2022;2:303-10)➜ つまり相対的に不足.また一時点でのコルチゾール値が正常範囲内(CASE REPORT| 2009;27:751.E3-751)➜ こちらも病態を考えると相対的不足.
  • コルチゾール濃度は敗血症ショック時に平均,健常者の14倍以上に上昇するようです(The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism 2006;91:105–14).よって勝手な予想 😶 副腎の広範な出血例ではコルチゾール値が低下(CTで生前診断可能)vs 通常の微小出血例では相対的不足も稀ではない(剖検でのみ診断可)

🎉「論文」の過去投稿は コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

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