🚑 ERの引き継ぎ症例
- 既往歴の欄にしれっと”OPLL手術”と記載されていました.どんな手術か分からなかったので調べてみました.ちなみに初期対応は整形外科の先生でした.
👤 OPLL
- Ossified Posterior Longitudinal Ligamentの略(邦名:後縦靱帯骨化症)
- 脊柱のほぼ全長を縦走している後縦靱帯の骨化で脊椎管狭窄を来す疾患
- 原因不明で難治性の特定疾患で頸椎に最も多いが胸椎や腰椎にも生じる
- 頸部痛や上肢痛などで発症し,進行すると下肢に進展して知覚運動障害
- 治療は後屈回避,カラー装着,ビタミンB・鎮痛薬などで進行例は手術
👥 おまけ
- 類似病態に黄色靱帯骨化症(Ossification of the Ligamentum Flavum: OLF)があります.これは脊髄の後方にある黄色靱帯が骨化する疾患で,胸椎に多いため下肢の脱力やしびれなどで発症します.こちらも特定疾患ですが患者数は360人(平成24年度)と,OPLLの33,346人よりもずいぶん少ないようです(※).
- 脊髄の前方にあるのが後縦靱帯で,後方にあるのが黄色靱帯と少し混乱します.これは内科医が脊髄を中心に考えるからかもしれません.骨(椎体)からみれば後面にあるため後縦靱帯です.そして椎体の前面にあるのが前縦靱帯です.ちなみに黄色靱帯は通常の靭帯よりも弾性線維を多く含むため黄色っぽいそうです.
(投稿者 川崎)
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