- 概要 胆汁うっ滞に伴い肝実質細胞の破壊と線維化を生じる
- 原因 不明であるが,自己免疫学的な機序が考えられている
- 組織 葉間胆管および隔壁胆管に慢性非化膿性破壊性胆管炎
- 疫学 中年以後の女性に多い(本邦ではおよそ2万人と予想)
- 症状 長期無症状〜皮膚そう痒感〜肝硬変・肝不全など多様
- 特徴 抗ミトコンドリア抗体(AMA)が特異的・高率に陽性
- 合併 シェーグレン症候群,関節リウマチ,慢性甲状腺炎他
- 治療 対症療法(ウルソ〜肝移植/ステロイドは期待できず)
- 予後 無症候性が続く限り良好だが5年間で約25%が症候性
参考)難病情報センター
😸 おまけ
- 以前は肝硬変に至ってから診断されることが多かったため原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis)と呼ばれていました.しかし近年では無症候性のうちに発見される症例が増え肝硬変を呈さないため,名称が原発性胆汁性胆管炎(Primary biliary cholangitis)に変更されました(欧米は2015年,本邦は2016年).幸い略語はどちらもPBCなので混乱は最小限
- 同様の変更はニューモシスチス肺炎(Pneumocystis pneumonia)でもありました(旧名はニューモシスチス・カリニ肺炎:Pneumocystis cariniii pneumonia).共に略語はPCPで助かります.もっともこの変更はPCBの臨床変化とは異なり,原虫と考えられていたニューモシスティスが実は真菌の一種(子嚢菌門タフリナ菌亜門)であることが分かったためです(過去の投稿)
💁 胆汁に関する過去投稿は コチラ
(投稿者 川崎)
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