🐶 動物実験
👴 ヒトデータ
- 血液希釈されていない犬を20°Cまで急冷すると50%が心停止に至った
- 26°Cに冷却した犬の心室筋ではVFやVTは冷却よりも再加温中に頻繁
- 21°C猫で通常量強心剤(アドレナリン他)が心室性不整脈を全例誘発
👴 ヒトデータ
- 深部体温が16.9°C~29°Cの偶発的低体温19例では7人がVF, 2人は心静止
- 日本の60人の検討では深部体温>26°CでVF を発症した患者はいなかった
- 低体温療法中に低カリウム血症+QTc間隔延長なら平均34.7°CでVTが発症
低体温時の一般的な電気生理学的所見
洞調律 | 房室伝導 | 心室脱分極 | 心室再分極 | 不整脈 | |
---|---|---|---|---|---|
軽度〜中等度 (>30度) |
不変〜低下 | 不変〜低下 | 短縮〜不変〜延長 | 延長 | 心房細動,心室期外収縮,心室頻拍 |
高度 (<30度) |
停止まで延長 | 延長〜停止 | 遅延〜不変 | 延長,消失 | 心房細動,心室細動,心静止 |
🍧 低体温に伴う様々な変化
- 電解質 ➜ 寒冷利尿による喪失と細胞内移動により低下するため,低Ca血症,低K血症,低Mg血症,低P血症を認める.逆に復温期では高カリウム血症に注意
- 凝固系 ➜ 35°C以下では血小板機能低下や血小板数の減少が認められる.33°C以下では凝固に関わる酵素活性の低下から出血傾向となる.
- 免疫系 ➜ 白血球の遊走能・貪食能および炎症性サイトカイン産生・反応の低下が生じる.また感染時に白血球数やCRPが必ずしも上昇しない
- 耐糖能 ➜ 低体温ではインスリンの感受性が低下し,膵細胞からのインスリン分泌ならびに糖代謝も低下するため高血糖が助長される.
💁 低体温に関する過去の投稿 ➜ コチラ
(投稿者 川崎)
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