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2023-06-26

分かりにくかった頸動脈二峰性拍動

全身浮腫と息切れで受診した化学療法中の担癌症例(臥床)

👶 解説
  • 左側の頸動脈拍動を伝える舌圧子に明瞭な上下運動あり
  • その動きは二峰性拍動(pulsus bisferiens/biphasic pulse)
  • 心エコーでは左室流出路狭窄,僧帽弁逆流,左室過収縮
  • 抗がん剤による体液貯留で生じた高拍出性心不全と診断

😅 診察室実況
  • 収縮期駆出性雑音(3度)があったため流出路狭窄も鑑別診断には含めたが,初回の頸動脈診察で二峰性拍動とは診断できなかった.心エコー図の結果(左室流出路圧格差>60 mmHg)に驚いて,頸動脈の診察をやり直した時の動画が上記である.
  • 頸動脈の2峰性拍動といえば閉塞性肥大型心筋症(spike and dome型:自験例)と大動脈弁逆流(鋭い2峰:自験例)が有名である.本例の様に反応性の過収縮から生じた左室流出路狭窄による2峰性拍動はあまり明瞭にはならないのだろうか?

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

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