- くも膜下出血患者(Subarachnoid Hemorrhage: SAH)の治療方針を決定するにあたっては重症度の判定が重要.下記はいずれも国際的に活用されている分類で,通常はグレードが高いほど予後が不良.
📗 Hunt and Hess分類(J Neurosurg 1968;28:14-20)
- Grade I ➜ 無症状あるいは最小限の頭痛および軽度の項部硬直
- Grade II ➜ 中等度から強度の頭痛と項部硬直があるが脳神経麻痺以外の神経学的失調はない
- Grade III ➜ 傾眠状態、錯乱状態、または軽度の巣症状
- Grade IV ➜ 昏迷状態で中等度から重篤な片麻痺あり(早期除脳硬直および自律神経障害を伴うこともある)
- Grade V ➜ 深昏睡状態で除脳硬直を示し瀕死の様相
📘 Hunt and Kosnik分類(Clin Neurosurg 1974;21:79-89)
- Grade 0 ➜ 未破裂の動脈瘤
- Grade I ➜ 無症状か最小限の頭痛および軽度の項部硬直
- Grade Ia ➜ 急性の髄膜あるいは脳症状はないが固定した神経学的失調あり
- Grade II ➜ 中等度から強度の頭痛と項部硬直があるが脳神経麻痺以外の神経学的失調はない
- Grade III ➜ 傾眠状態、錯乱状態、または軽度の巣症状
- Grade IV ➜ 昏迷状態で中等度から重篤な片麻痺あり(早期除脳硬直および自律神経障害を伴うこともある)
- Grade V ➜ 深昏睡状態で除脳硬直を示し瀕死の様相
📙 WFNS分類(J Neurosurg 1988;68:985-6)
- Grade I ➜ GCS 15で局所神経症状なし
- Grade II ➜ GCS 14-13で局所神経症状なし
- Grade III ➜ GCS 14-13で局所神経症状あり
- Grade IV ➜ GCS 12-7(局所神経症状は不問)
- Grade V ➜ GCS 6-3(局所神経症状は不問)
💁 クモ膜下出血に関する過去の投稿 ➜ コチラ
(投稿者 川崎)
1 件のコメント:
心電図による予後予測を以前に川﨑先生が論文にされています。
Circ J
. 2002 Jun;66(6):567-70. doi: 10.1253/circj.66.567.
Electrocardiographic score as a predictor of mortality after subarachnoid hemorrhage
Tatsuya Kawasaki 1, Akihiro Azuma, Takahisa Sawada, Hiroki Sugihara, Toshiro Kuribayashi, Manabu Satoh, Yukio Shimizu, Masao Nakagawa
元 上司
コメントを投稿