自発覚醒トライアル(Spontaneous Awakening Trial: SAT)
➜ 開始基準 (以下の状態でないこと)
➜ 成功基準(以下をともにクリア)
- 鎮静薬を中止または減量し、自発的に覚醒が得られるか評価する試験。観察時間は30分から4時間程度を目安とする。
➜ 開始基準 (以下の状態でないこと)
- 興奮状態が持続し、鎮静薬の投与量が増加している
- 筋弛緩薬を使用している
- 24時間以内の新たな不整脈や心筋虚血の徴候
- 痙攣、アルコール離脱症状のため鎮静薬を持続投与中
- 頭蓋内圧の上昇
- 医師の判断
➜ 成功基準(以下をともにクリア)
- 鎮静スケール(RASS):-1~0で口頭指示で開眼や動作が容易に可能である。
- 鎮静薬を中止して30分以上過ぎても、以下が生じない:興奮状態・持続的な不安状態・鎮痛薬を投与しても痛みをコントロールできない・頻呼吸(呼吸数≧35 回/分 5 分間以上)・SpO2<90%が持続し対応が必要・新たな不整脈
自発呼吸トライアル(Spontaneous Breathing Trial :SBT)
➜ 開始基準(原疾患の改善を認め、以下をすべてクリアした場合)
➜ 成功基準(以下をともにクリア)
- 人工呼吸による補助がない状態に患者が耐えられるかどうか確認するための試験。人工呼吸器設定をCPAPまたは、Tピースに変更し、30 分から2時間観察する。
➜ 開始基準(原疾患の改善を認め、以下をすべてクリアした場合)
- FIO2≦0.5 かつ PEEP≦8cmH2O のもとで SpO2>90%
- 急性の心筋虚血、重篤な不整脈がない・心拍数≦140 bpm・昇圧薬の使用について少量は容認(DOA ≦ 5μg/kg/min、DOB ≦ 5μg/kg/min、NAD ≦ 0.05μg/kg/min)
- 1回換気量>5ml/kg・分時換気量<15L/分・Rapid shallow breathing index(1分間の呼吸回数/1回換気量[L])<105回/min/L・呼吸性アシドーシスがない(pH>7.25)
- 呼吸補助筋の過剰な使用がない・シーソー呼吸(奇異性呼吸)がない
- 発熱がない・重篤な電解質異常を認めない・重篤な貧血を認めない・重篤な体液過剰を認めない
➜ 成功基準(以下をともにクリア)
- 呼吸数<30 回/分
- 開始前と比べて明らかな低下がない(たとえば SpO2≧94%、PaO2≧70mmHg)
- 心拍数<140bpm、新たな不整脈や心筋虚血の徴候を認めない
- 過度の血圧上昇を認めない
- 以下の呼吸促迫の徴候を認めない(SBT前の状態と比較する):呼吸補助筋の過剰な使用がない・シーソー呼吸(奇異性呼吸)・冷汗・重度の呼吸困難感、不安感、不穏状態
💁 人工呼吸に関する過去の投稿 ➜ コチラ
(投稿者 川崎)
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