- 概要:トリパノソーマ・クルージ(T. cruzi )によって引き起こされる熱帯寄生虫病
- 媒介:主にサシガメとよばれる昆虫の咬傷や感染した糞便から感染(人獣共通感染症)
- 由来:ブラジル人医師の Carlos Chagas が初報(Arch Schiff Tropenhyg 1909;13:120–2)
- 地域:ラテンアメリカ大陸(カリブ海の島国を除)に蔓延(特に田舎)(本邦では輸血)
- 疫学:主にメキシコ,中米,南米では約650万人が罹患して,年間に約9,490人が死亡
- 症状:無症状〜軽度の発熱やリンパ節腫脹,頭痛,咬傷部の腫れなど(数週間〜数ヵ月)
- 経過:感染10~30年後に心臓病(最大45%),消化器病(最大21%),神経損傷(最大10%)
- 心臓:左心室の拡張および機能不全,心室瘤,心不全,血栓塞栓症,心室不整脈,突然死
- 診断:急性期はPCRまたは血液などから寄生虫顕鏡/慢性期はT Cruzi に対するIgG抗体
- 予防:サシガメ排除(殺虫剤や蚊帳の使用),輸血に使用される血液のスクリーニング
- 治療:初期の感染症は抗寄生虫薬ベンズニダゾールまたはニフルティモックスで治療可能
(投稿者 川崎)
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