🚑 先日のER
- 中年女性が雷鳴頭痛(thunder headache:突然発症で1分未満に痛みの強さがピーク)で受診されました.くも膜下出血を疑いましたがCTには特記すべき異常はなし.神経学的な異常はなく自覚症状も鎮痛薬などで改善したので,その日は帰宅されました.しかし翌日に症状が再発したため当院に入院.最終的に可逆性脳血管攣縮症候群と診断されました.
🌟 可逆性脳血管攣縮症候群 (RCVS)
- 病態:急性発症する激しい頭痛と多発性可逆性分節性脳血管攣縮を伴う疾患群
- 誘引:入浴やシャワー,性行為,労作,Valsalva手技,感情,出産,薬物など
- 経過:94~100% が雷鳴頭痛で突然発症し,以後1~4週の間に平均5回繰り返す
- 鑑別:SAH,血管炎,血栓症,片頭痛,下垂体卒中,PRES,動脈解離,髄膜炎
- 治療:安静,鎮痛薬,安定剤,抗てんかん薬,血管攣縮に対してverapamilなど
- 経過:1〜3ヵ月で自然寛解(死亡はほぼなし)/脳卒中で3~6%に後遺症あり
(投稿者 川崎)
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