不定軸
- 四肢誘導のすべてでR波,S波,Q波の波高が等しく電気軸が求められないとき.北西軸(極端な軸偏位)と混同しないように(ただし北西軸を不定軸と呼ぶこともある).
- S1S2S3パターンはI、II、III誘導のすべての誘導にS波を認め,不定軸になりやすい.
両室肥大
- V4,V5誘導に二相性の高いQRS波を認める(カッツ・ ワクテル現象/Katz-Wachtel phenomenon).
完全房室ブロック
- 一見,完全AVブロックでも,繋がっている部位があれば高度AVブロックになる.
心房粗動
- 通常型反時計回転(common):鋸歯状波がI,II,III,aVF誘導で陰性,V1誘導で陽性(IIで陰性・V1で陽性・V6で陰性のワンパターン)
- 通常型時計回転(reverse common):鋸歯状波がI,II,III,aVF誘導で陽性,V1誘導で陰性
心房頻拍
- 原因に自動能亢進とリエントリーがある.開始時に徐々に心拍数が増加するwarm up現象と,停止に先立ち徐々に心拍数が低下するcool down現象がある(過去の投稿).
LGL症候群
- 心房ーHis束以下の刺激伝導系の短絡(ジェームス線維)で頻度は2500~5000人に一人(ケント束は心房ー心室間の短絡で頻度は1500~2000人に一人)
WPW症候群
- 順方向性房室回帰頻拍:最多で房室結節を順行,ケント束を逆行してQRS幅が狭い
- 逆向性房室回帰頻拍:ケント束を順行,房室結節を逆行してQRS幅が広い
心室頻拍
- 洞捕捉(途中で形の頃なるQRS:融合収縮や捕捉収縮),房室解離,突然のP波の脱落なら確定
- RBBB+左軸偏位:左脚後枝起源の特発性心室頻拍が多くベラパミル感受性(いわゆるベラセン)
- RBBB+右軸偏位:左脚前枝起源
- LBBB+下方軸:右室流出路起源の特発性心室頻拍が多い
- 子供であればVTに見えても逆方向性AVRT(antidromic AVRT:ART=心房→Kent束を順伝導→心室→房室結節を逆伝導→心房の順で旋回)が多い
先天性QT延長症候群
- LQT1:トリガーは運動(特に水泳)が多く,大きくて幅が広いT波が特徴
- LQT2:情動ストレス(恐怖や目覚まし音)が誘因で,T波は平低やnotchあり
- LQT3:発作は睡眠中や安静時で,T波の始まりが遅い特徴あり
※参考書籍:実力心電図 -「読める」のその先へ-<改訂版>,他
💁 心電図マイスターに関する過去の投稿 ➜ コチラ
(投稿者 川崎)
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