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2023-11-10

心電図マイスターへの道 ②

不定軸
  • 四肢誘導のすべてでR波,S波,Q波の波高が等しく電気軸が求められないとき.北西軸(極端な軸偏位)と混同しないように(ただし北西軸を不定軸と呼ぶこともある).
  • S1S2S3パターンはI、II、III誘導のすべての誘導にS波を認め,不定軸になりやすい.

両室肥大

完全房室ブロック
  • 一見,完全AVブロックでも,繋がっている部位があれば高度AVブロックになる.

心房粗動
  • 通常型反時計回転(common):鋸歯状波がI,II,III,aVF誘導で陰性,V1誘導で陽性(IIで陰性・V1で陽性・V6で陰性のワンパターン)
  • 通常型時計回転(reverse common):鋸歯状波がI,II,III,aVF誘導で陽性,V1誘導で陰性

心房頻拍
  • 原因に自動能亢進とリエントリーがある.開始時に徐々に心拍数が増加するwarm up現象と,停止に先立ち徐々に心拍数が低下するcool down現象がある(過去の投稿).

LGL症候群
  • 心房ーHis束以下の刺激伝導系の短絡(ジェームス線維)で頻度は2500~5000人に一人(ケント束は心房ー心室間の短絡で頻度は1500~2000人に一人)

WPW症候群
  • 順方向性房室回帰頻拍:最多で房室結節を順行,ケント束を逆行してQRS幅が狭い
  • 逆向性房室回帰頻拍:ケント束を順行,房室結節を逆行してQRS幅が広い

心室頻拍
  • 洞捕捉(途中で形の頃なるQRS:融合収縮や捕捉収縮),房室解離,突然のP波の脱落なら確定
  • RBBB+左軸偏位:左脚後枝起源の特発性心室頻拍が多くベラパミル感受性(いわゆるベラセン)
  • RBBB+右軸偏位:左脚前枝起源
  • LBBB+下方軸:右室流出路起源の特発性心室頻拍が多い
  • 子供であればVTに見えても逆方向性AVRT(antidromic AVRT:ART=心房→Kent束を順伝導→心室→房室結節を逆伝導→心房の順で旋回)が多い

先天性QT延長症候群
  • LQT1:トリガーは運動(特に水泳)が多く,大きくて幅が広いT波が特徴
  • LQT2:情動ストレス(恐怖や目覚まし音)が誘因で,T波は平低やnotchあり
  • LQT3:発作は睡眠中や安静時で,T波の始まりが遅い特徴あり


💁 心電図マイスターに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

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