特殊なCLBBB
- 通常は I 誘導にQ波はない.もしQ波があれば左室前側壁の障害を疑う.また右軸偏位(IでR<S)なら右室の障害を疑う.
特殊なCRBBB
- 通常は I 誘導で深いS波がある.もし深いS波がなければ左室の作業心筋の障害を疑う.またQRSが150 ms以上ならCRTが有効な可能性あり.
特殊な心室内伝導障害
- TCA(Tricyclic Antidepressants/三環系抗うつ薬)中毒などの右室障害(左室よりも障害を受けやすい)ならRBBB様であるがrSR'なし(偽性心室調律=Brugada phenocopy:aVRでR波が3 mm以上で北西軸).DCは無効(原疾患の治療とメイロン投与など).Naチャネルの遮断による0相障害で,他に I 群不整脈中毒やコカイン中毒,重症虚血,高K血症などで生じる.
- 一方,左心系の障害なら I 誘導でsmall Qなし.ともに後半成分を見て障害部位を推定可能.心室頻拍と間違わないように.これもQRSが150 ms以上ならCRTが有効な可能性あり.
SSSルーベンシュタイン分類 Ⅱ 群(洞停止・洞房ブロック)
- 1度洞房ブロック ➜ S-Pが長いが体表心電図では分からない
- 2度洞房ブロック(type 1)➜ ウェンケバッハ型でP1P2>P2P3=P3P4で時にP脱落(一定のパターン [グループ] が続く/一見,呼吸性変動に見える)
- 2度洞房ブロック(type 2)➜ モビッツ型でP1P2の2倍がP2P3(従来の洞房ブロック)
- 3度洞房ブロック ➜ 補助調律のみが示され,体表心電図では洞停止との鑑別はできない
De Winterパターン
- V1-6で1 mm以上のJ点の低下+上向きST低下+高い対称的なT波が2誘導以上+aVRで1 mm以上のST上昇.発症早期(目安1時間以内)のLAD近位部の心筋梗塞を示唆.
- ちなみに Ⅲ 誘導にミラーイメージのST低下があれば同様にLAD近位部の心筋梗塞を示唆(これは一般論).
Long RPタキ
- AT,ORT(orthodromic AVRT/順方向性のAVRT,slow Kent束によるAVRT=90%のWPW),FS-AVNRT(非通常型AVNRT)を考える
- ATはしばしば2:1伝導で,停止はQRSの後になる(他の2つはPでもQRSでも終了可能).ORT(slow Kent)は必ず1:1伝導である.FS-AVNRTは2:1伝導(LCP [lower common pathway] ブロック時)や1:2伝導(UCP [upper common pathway] ブロック時)になりえる.
- (逆行性)P波が見えなければ通常型(Slow-Fast型)AVNRT.ただし通常型AVNRTではQRS波の終末部にP波を認めることもある(いわゆるpseudo S波).
- QRS直後にP波があって,頻脈停止時にP波がなければ(termination without P)なら,はやりAVNRT
※参考コンテンツ:心電図マイスターチャンネルの【心電図マイスター狙いは必見】,他
💁 心電図マイスターに関する過去の投稿 ➜ コチラ
(投稿者 川崎)
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