👽 解説
- 再診時には内頸静脈の拍動は完全に消失
- 手指や爪床に末梢チアノーゼは認めない
- 症状に関して特に言及なし(元々乏しい)
- 採血ではCr上昇,BUN上昇,BNP大幅低下
- 利尿薬の過剰投与 ➜ 血管内脱水と判断
- 利尿薬を減量して早期のフォローを予定
💣 WRF (worsening renal function)
- 心不全例では利尿薬(特にループ系)の追加で血清クレアチニンの上昇を認めることがあります.WRF(腎機能悪化)と呼ばれ,その定義は48時間以内に絶対値で0.3mg/dL以上あるいは前値より50%以上の上昇などです.
- 機序は交感神経/RAA系の亢進による末梢血管のトーヌス亢進や体液量減少による心拍出量の減少などが考えられます.このWRFは心腎連関の一つですが,予後悪化の指標であることが知られているため注意が必要です.
- 本例のように座位で内頸静脈拍動が明瞭だった症例(=中心静脈圧が高度上昇)で,利尿薬の追加後に頸静脈拍動が綺麗さっぱり消失した時には要注意です.必ず手を触ってみて冷たくなっていないか確認してください.
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心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶
(投稿者 川崎)
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