- 大動脈弁逆流症による大脈のため膝窩動脈が過度に拍動して下肢が周期的に動く現象
- 同疾患で頭部が心拍に一致し前後にゆれるド・ミュッセ徴候(de Musset sign)の足版
- 命名はこの所見を示した第16代アメリカ合衆国の大統領 Abraham Lincoln(1809-1865)
- 1863年にガードナーが有名な写真 ビッグフット を撮影し左足のぼやけを指摘(下図)
- ジャーナリストのブルックスが膝窩動脈の拍動で脚が僅かに動いた可能性を提唱した
- 1961年医師ゴードンが身体的特徴からリンカーンはマルファン症候群であったと推測
- 1964年シュワルツは彼のマルファン症候群の特徴に関する更なる系譜学的証拠を提示
💀 追加コメント
- リンカーンがマルファン症候群であったかどうかは今もって不明だそうです(DNAは未公表).著名な遺伝学者ビクター・マキュージックは、その確率を50:50としています(Nature 1991;352:279-81).ちなみに彼は暗殺された初めての米大統領です.
- 本徴候は膝をうまく組んで(体側の膝の真上に膝窩動脈),下肢の力を抜くよう指導など,一定の条件を満たさないと出現しないと予想します.以前に大動脈弁逆流での足背動脈のコリガン脈を記録したことがありますが,とても微妙な所見でした(ココ)
- 骨シンチグラフィにもリンカーン徴候と呼ばれる所見があるようです.下顎骨への核種の取り込みが過剰に亢進した(まるで黒ひげ)状態で,SAPHO症候群や骨パジェット病,悪性腫瘍転移,薬剤性顎骨壊死,副甲状腺機能亢進症などで認めるようです.
心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶
(投稿者 川崎)
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