心電図異常を指摘された無症候例
😎 解説
- 漸増・漸減する収縮期の駆出性雑音あり
- 前収縮期(拡張後期)に大きな過剰心音
- 低調成分が主体であるためS4(赤四角)
- 本例の最終診断は閉塞性肥大型心筋症
😛 追加コメント
- 洞調律の肥大型心筋症では肥大部位にかかわらずS4を高頻度(約70%)に認める(Circ J 2023;87:1068-74)。
- なおS4の生じる前提として、心室コンプライアンスの低下あるいは拡張末期圧の上昇に対する心房機能の亢進が必須
- 増高した心室流入血流が硬い心室を振動させてS4が発生(Tavel ME. Year Book Medical Publishers;1971:44-63)
- この振動はA波として触知でき(下図),抬起性拍動と合わせて二峰性心尖拍動(double apical impulse)と呼ばれる.
- なお心房細動ではⅣ音(第4音)は記録されない.また洞調律であっても心房機能が低下すればS4は減弱~消失(#)
心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶
(投稿者 川崎)
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