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2016-11-30

NEJMカンファレンス

Argyll Robertson 瞳孔
アーガイル=ロバートソン瞳孔とは、両眼に正常な対光反応(光の量によって瞳孔が拡大縮小する現象)がない状態の瞳孔異常のことである。主に神経梅毒疾患の時に起こる。
常に縮瞳傾向にあるが、寄り目になった際のみ正常な縮瞳状態が見られる。

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1507564


子宮外妊娠と子宮内妊娠の並存
The prevalence of heterotopic pregnancy is estimated at 0.6‑2.5:10,000 pregnancies. There is a significant increase in the incidence of heterotopic pregnancy in women undergoing ovulation induction. An even greater incidence of heterotopic pregnancy is reported in pregnancies following assisted reproduction techniques such as In Vitro Fertilization (IVF) and Gamete intrafallopian transfer (GIFT), with an estimated incidence at between 1 and 3 in 100 pregnancies. If there is embryo transfer of more than 4 embryos, the risk has been quoted as 1 in 45. In natural conceptions, the incidence of heterotopic pregnancy has been estimated to be 1 in 30 000 pregnancies.(ウィキペディアより)

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1509537

(投稿者 湯浅)

SIRS 

SIRS=systemic inflammatory response syndrome (全身性炎症反応症候群)
サイトカインを中心とした免疫・炎症反応による非特異的な全身生体反応を把握するための臨床概念

以下の4項目のうち2項目以上を満たすとき診断
  • 体温<36℃または>38℃
  • 脈拍>90回/分
  • 呼吸数>20回/分,あるいはPaCO2<32 Torr
  • 白血球数>12,000/mm3 あるいは<4,000/mm3,または10%を超える幼若球出現

感染のみならず,外傷や手術,熱傷,膵炎,手術なども誘引となる
多臓器不全の前段階と考えられるため重症患者のスクリーニングに有用

 おまけ  inflammatory はアクセント位置に注意 ⇒ ココで確認できるよ
(投稿者 川崎)

第16回 松下バイリンガルカンファレンスより

2番目の質問をもう一度お願いします ⇒ What was your second question again?
(症状など)は起こりやすい/起こりにくい ⇒ ~ occurs in most cases/in rare cases.
CTでは~でした/心電図では~でした ⇒ CT shows.../ECG shows...(画像を見ながらならすべてshowの現在形でOK)

(投稿者 川崎)

2016-11-29

IM≠EBV

伝染性単核球症(infectious mononucleosis, IM)とくれば
 ⇒ 発熱,咽頭痛,リンパ節腫脹(特に頸部),末梢血中の異型リンパ球,トランスアミナーゼの上昇など

ついつい伝染性単核球=EBウイルス(Epstein‐Barr virus, EBV)と考えがち

確かに伝染性単核球症の原因はEBVが多いが,その他でも生じうることが報告されている(国立感染症研究所
サイトメガロウイルス(CMV),HHV‐6 ,アデノウイルス(ADV),単純ヘルペスウイルス(HSV),ヒト免疫不全ウイルス(HIV),A型肝炎ウイルス(HAV),B型肝炎ウイルス (HBV),トキソプラズマ,リケッチア

(投稿者 川崎)

2016-11-28

虫垂炎とガム

 都市伝説   「ガムを飲むと詰まって盲腸になる」
 ⇒ 両者の関連を示唆するエビデンスは見つけられませんでした

逆に虫垂炎術後のガムはイレウスの発生を減らすから推奨されるという研究がありました
Chewing gum reduces postoperative ileus after open appendectomy. Acta Chir Belg. 2010;110:195-9.

 おまけ  「不衛生な水が虫垂炎の発生と関連する」は都市伝説ではないようです
Acute appendicitis, bathrooms, and diet in Britain and Ireland. Br Med J. 1988;296:953–5.

(投稿者 川崎)

特発性細菌性腹膜炎(SBP)

spontaneous bacterial peritonitis

SBPは感染源が不明の腹水のことで,肝硬変(特にアルコール性)による腹水貯溜に多い
原因菌はグラム陰性では大腸菌やクレブシエラ,グラム陽性では肺炎球菌が多い(通常は1種)
予後は不良で,死亡率はおおよそ30~80%(進行性腎機能障害があれば100%近い)

  ※腸管穿孔による腹膜炎では腹水アミラーゼが上昇するためSBPとの鑑別に有用(らしい)

詳細はデータは Hospitalist ~病院総合診療医~ にまとめられています

(投稿者 川崎)

2016-11-27

Paget-Schroetter syndrome

循環器学会地方会で聞き慣れない疾患が2演題,異なる施設から同時に報告されていました

Paget-Schroetter syndrome
  • 定義 : 基礎疾患を有さない症例に生じた上枝の深部静脈血栓症(DVT)のこと
  • 原因 : 通常利き腕側でスポーツに伴うことが多い(バレーボール, 野球, 重量挙げなど)
  • 機序 : 血管内皮の微小な損傷による凝固系の活性化が原因と考えられている
  • 合併症 : 血栓性閉塞,肺血栓塞栓症(上枝DVTの1/3に発症)
  • 治療 : 下肢のDVTと同様でヘパリンやワルファリン,DOAC(直接作用型経口抗凝固薬)

Paget-Schroetter syndromeを含めた上枝DVTの詳細は こちら
(投稿者 川崎)

2016-11-26

マイコプラズマ

マイコプラズマはグラム染色では判定できない
しかし最近,PCRで迅速に判定できるようになった!



咽頭のぬぐい液をPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を用いてそのDNAを増幅
約1時間でマイコプラズマに感染しているか否かの結果が分かる
すごいのはマクロライドに感受性があるか耐性かも同時に判明できる

非定型肺炎の可能性が高いときは是非確認してみよう

(投稿者 川崎)

急性膵炎の抗菌薬

議論のある領域ですが,NEJMの先週号にレビューが掲載されました
抗菌薬に関して記述された段落は下記の一段落のみ



➽ 「明らかに感染を生じている症例を除いて,急性膵炎で抗菌薬の予防投与はメリットが示されていないため推奨されない」と述べられています

(投稿者 川崎)

2016-11-25

DV時の医療費

ドメスティック・バイオレンス=domestic violence (DV)=同居関係にある配偶者や内縁関係の間で起こる家庭内暴力

病院によってはDV時にも健康保険を使用できる(健康保険組合の許可が必要/1点=10円で計算した総額の1~3割)
それ以外の場合は原則,自由診療になる(例えば支払いは150%/1点=15円の全額負担)
 ※本人がDVを隠して,自分で転んだと言って健康保険を使用するケースも少なくないようだが・・・

交通事故の場合は原則,健康保険が使えないから自由診療(例えば支払いは200%/1点=20円の全額負担)

(投稿者 川崎)