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2026-09-18

香雪こうせつ記念病院

  • 医師A「松下記念病院は松下幸之助さんの病院ですね」
  • 投稿者「そうです。現在の病院は4代目にあたります」
  • 医師A「ということは、香雪記念病院の関連ですか?」
  • 投稿者「香雪? すいません、聞いたことありません」
  • 医師A「だって幸之助さんはすごい金持ちだったから」

- 香雪記念病院 -
  • 兵庫県西宮市に昭和42年(1967年)に開院した「高級ホテル」のような病院
  • 朝日新聞社の創業者・村山龍平氏の没後30年を記念し計画(香雪は彼の雅号)
  • 建坪2,200坪、病床111床で建設費は土地込みで約13億円(当時としては破格)
  • オープンシステム導入(患者がかかりつけ医を連れてきて診療を受けられる)
  • 病室のほとんどが個室で最上階には一流ホテル料理人による本格的レストラン
  • 老朽化などで2002年に大規模改修され現在は西宮協立リハビリテーション病院

(投稿者 川崎)

2026-07-18

チューリング・テスト Turing test

  • ある機械が「人間的(人工知能)」かどうかを判定するためのテストで、イギリスの数学者 Alan Mathison Turin(1912-1954)が考案した(Turing AM. Computing machinery and intelligence, Mind, Vol. LIX, No. 236, 1950:日本語訳)
  • 具体的には、「二つの部屋があり、それらの部屋にはケーブルがつながっている。人間とのテキスト対話でコンピュータを人間と誤認したら、そのコンピュータは人間なみの知能をもっているとみなしてよい」というのがこの論文での主張


チューリングテスト

(投稿者 川崎)

2026-07-10

YUMIKOユミコ- LITAリタ catheter


😐 追加コメント
  • 冠動脈バイパス(CABG)術前に内胸動脈を造影する機会は減りましたが、今でもYUMIKO-LITA catheterを時々見かけます。先日のアンギオカンファでこのユミコ・カテが話題になったので、懐かしくなって本ブログにまとめてみました。
  • 当院でも初期からYUMIKO-LITAカテーテルを使用し、2003年には右内胸動脈(RITA)にも応用できることを報告しています(下図)。この症例報告を三宅先生が論文で引用されていたのを見た記憶があるのですが、探しきれませんでした。

(投稿者 川崎)

2026-06-23

カラヴァッジョの「聖アンデレの磔刑」

  • 先日、インディアナ大学医学部循環器内科のダニエル・M・ ゲルフマン先生のよる面白いエッセイ(?)を眼にしました(Am J Med. 2026 Jul;139(7):838-839)。タイトルは"When looking for treatable diseases, don't forget the jugular veins”です(邦訳:治療可能な疾患を探す際には、頸静脈を忘れないでください)。内頚静脈と外頚静脈が明確に区別されていない点は気になりますが、頚静脈ネタが一流誌に掲載されていることをとても嬉しく思います。

先日、クリーブランド美術館で、著名な美術史家によるプレゼンテーションの一環として、カラヴァッジョの「聖アンデレの磔刑」(1606-7年)を鑑賞しました。この絵画について議論された際、聖アンデレの右側に立っている女性には大きな甲状腺腫があると説明されました。首の下部に大きな腫れがあるため、これは私にとって驚きではありませんでした。しかし、心臓専門医である私は、甲状腺腫と思われるものを見る前に、鎖骨よりかなり高い位置まで異常に拡張した右外頸静脈に衝撃を受けました(図1)。(鎖骨は右心房から約10cm上にあるため、これは直立した状態では正常ではありませんが、病的なものではない可能性があります。)その後、医学文献を調べていたところ…以下省略(僅か428 words)

(投稿者 川崎)

2026-06-21

Faget’s Sign ファジェ徴候

  • 通常では体温が1度上がるごとに脈拍は10 bpmほど増加
  • ファジェ徴候とはこの体温と脈拍の関係が乖離した状態
  • 本邦では比較的徐脈と呼ばれることが多い(過去の投稿)
  • 由来はフランスの医師 Jean-Charles Faget (1818-1884)
  • ファジェは黄熱病の患者について1859年に報告した(※)
  • 通常のウイルスや細菌による感染症とは異なることが多い
  • 例:ブルセラ、クラミジア、レジオネラ、腸チフス、黄熱

(投稿者 川崎)

2026-06-20

コルポとアウス:産婦人科

  • コルポ(Kolpo)➜ ドイツ語 Kolposkopie(腟拡大鏡検査)の略で、異形成や子宮頸がんの診断目的で実施(特に子宮頸部病変)
  • アウス(Aus)➜ ドイツ語 Auskratzung(掻爬)または Ausräumung(子宮内容除去)の略で、人工妊娠中絶目的などで実施

💫 ドイツ語由来の医学語(耳にする機会はかなり減りましたが…)
  • カルテ(Karte) — 診療録
  • クランケ(Kranke) — 患者
  • アナムネ(Anamnese) — 病歴聴取
  • ムンテラ(Mundtherapie) — 病状説明(※和製)
  • プンク(ション)(Punktion) — 穿刺
  • ステルベン(Sterben) — 死亡
  • エッセン(Essen) — 食事
  • マーゲン(Magen) — 胃(マーゲンゾンデ=胃管)
  • ルンゲ(Lunge) — 肺
  • ヘルツ(Herz) — 心臓
  • ニーレ(Niere) — 腎臓
  • ゼク(ツィオン)(Sektion) — 病理解剖
  • ナート(Naht) — 縫合
  • ワッサー(Wasser) — 水(水薬) 
  • ツッカー(Zucker) — 糖(血糖)
(投稿者 川崎)

2026-04-28

日本初の聴診器

  • 「日本で初めての聴診器は1848年(嘉永元年),オランダの軍医オットー・モーニッケが長崎の出島で医師の吉雄圭斎に紹介し,実物が今も長崎大学属図書館に保存されている.」
  • これは自分の書籍やウェブコンテンツでしばしば引用してきた文言です.引用論文は見つけられませんでしたが,AI(Claude sonnet 4.6)に依頼したらすぐに探してくれました.


💁 聴診器に関する過去の投稿は コチラ

(投稿者 川崎)

2026-04-22

ダーメンコルセット

  • 軟性体幹装具のひとつで、主として脊椎の支持および固定に使用
  • 効果機序:椎体は前方1/3に荷重が集中するため体幹前屈を制限
  • ダーメンはドイツ語のDamenに由来(女性・婦人Dameの複数形)
  • 元は中世に女性がウェストを細く見せるため使用したコルセット
  • 現在では性別を問わず腰椎・胸椎装具の一般名として用いられる

(投稿者 川崎)

2026-04-11

坂本二哉先生の業績の紹介

  • 2026年3月14日に開催された循環器Physical Examination講習会で,日本の心臓病学の父といわれる坂本二哉先生の業績を福田信夫先生(四国こどもとおとなの医療センター)が紹介されました.
  • 有料配信でしたが,ご本人および主催者(循環器Physical Examination研究会)のご厚意で,一般公開されることになりました.循環器フィジカルに関する偉業を是非,ご堪能ください.


(投稿者 川崎)

2026-04-10

坂本二哉先生の最終特別講演



心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2026-03-22

フィラデルフィア染色体 Philadelphia chromosome(Ph染色体)

  • 9番染色体長腕(9q34.1)に座位するABL1遺伝子と22番染色体長腕(22q11.2)に座位するBCR遺伝子との相互転座
  • 慢性骨髄性白血病(CML)の90%以上、急性リンパ性白血病(ALL)の約20%の症例で見出される腫瘍特異的な染色体
  • BCR::ABL1キメラ遺伝子が形成され、チロシンキナーゼ活性の亢進したp210またはp190蛋白質が生産される
  • 当初はPh染色体陽性例は予後不良であったがBCR::ABL1を標的とするチロシンキナーゼ阻害剤で予後が大幅に改善
  • 発見は米国の細胞遺伝学者であるDavidNowell PCとHungerford DA(J Natl Cancer Inst 1960:25:85-109)
  • 2人の所属施設があるフィラデルフィアから命名(ペンシルベニア州の最大かつ米国で6番目に大きい都市)

引用)SRL総合検査案内、他

フィラデルフィア染色体(Ph染色体)

(投稿者 川崎)

2026-03-14

センメルヴェイス反射(Semmelweis reflex)

  • 誤りが認められず権力によって事実を捻じ曲げたり排除する行為のこと
  • 由来はハンガリー人の医師 Semmelweis Ignác Fülöp(1818年 - 1865年)
  • 彼はウィーン総合病院産科で出産した母の死亡率が高いことに気付いた
  • その原因は産褥熱で分娩担当医の汚れた手にあるということを主張した
  • その予防法として塩素による消毒法を提唱し、死亡を劇的に減少させた
  • しかし細菌の概念が未確立な当時、彼は多くの医師たちから反感を買う
  • (医師自身が原因で患者が死亡しているという事実を多くの医師が拒絶)
  • センメルヴェイスはくじけなかったが、最終的に精神病院へ隔離された
  • その後、病院の衛兵から受けた暴力による傷が元で敗血症のために死亡


ウィーン総合病院の母体死亡率の推移
ウィーン総合病院が1823年に死後解剖を日常診療として導入して以来、1000件の出産あたりの妊産婦死亡数の推移を示している。1833年に産科が分割された後、両産科でほぼ同数の医学生と助産婦研修生が分娩を担当した。しかし、1839年には、第一産科は専ら医学生を対象とし、彼らは剖検も行い、第二産科では助産婦研修生が分娩を担当するようになった。ゼンメルワイス博士が1848年に塩素溶液による手洗いの習慣を導入して初めて、第一産科における1000件の出産あたりの妊産婦死亡数は減少し、第二産科とほぼ同等になった。(AI訳)

(投稿者 川崎)

2025-12-19

知りませんでした…

  • 最近,身体所見に関する知られざる(少なくとも投稿者には)歴史を知ったので本ページでも共有します(Rev Port Cardiol (Engl Ed) 2020;39:233-6)
  • バーロー症候群で有名なJohn Barlow先生ですが,真の貢献は僧帽弁逸脱での聴診(収縮後期雑音とクリック)の重要性を解明したことだそうです.
  • 心エコーがまだない時代に,病歴聴取と身体診察に費やす時間と忍耐力で際立ち,複数のベルと膜を備えた自身の聴診器を非常に誇りとしていました.

Professor John Barlow - The Legend

導入部のAI翻訳: ジョン・バーロウ教授は、バーロウ症候群として知られるようになった僧帽弁不全のメカニズムを発見したことで、心臓学の巨匠の一人としての地位を確立しました。心臓学界では、症候群、疾患、脱出症について大きな混乱があります。バーロウ教授は僧帽弁脱出症の特徴を明らかにした最初の一人ですが、彼の真の貢献は「収縮後期雑音と収縮中期後期クリック音の重要性」を解明したことです。彼はこれらの音が僧帽弁のメカニズムによるものとしました。それ以前は、これらの音は心膜癒着など心臓以外の原因によるものと考えられていました。この名で発表された論文は、当初は「原因が僧帽弁のメカニズムによると主張するのは極端すぎる」という理由で当時の主要な科学雑誌に拒否され、友人が編集していた Maryland State Medical Journal に 1963年2月にようやく掲載されました。その直後(1963年10月)にAmerican Heart Journalに「収縮期後期雑音の重要性」というタイトルで、7人の患者の聴診所見が記載された論文が発表されました。


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(投稿者 川崎)

2025-09-08

Gerhardt sign ゲルハルト徴候

  • 大動脈弁逆流で出現する左上腹部の拍動(脾臓の収縮期拍動)
  • 命名はドイツの医師 Carl JAC Gerhardt(1833-1902)に由来
  • ただし脾臓の動脈性拍動の初報は Nicolaes Tulp (1594–1674)
  • ザイラー徴候とも呼ばれている(Am Heart J 1928;3:447-53)

 

😐 コメント
  • 上記の動画はローゼンバッハ徴候(大動脈弁逆流による肝拍動)でリンクした動画と同じものです.脈圧の開大(大脈)に伴う肝拍動と脾臓拍動は基本的に同じ現象ですが,ネット上に動画としてはほとんど検索しません.綺麗な動画が記録できたらぜひアップをお願いします(投稿者も努力します) 

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(投稿者 川崎)

2025-08-25

Rosenbach sign ローゼンバッハ徴候

  • 大動脈弁逆流症で出現する右上腹部の拍動(肝臓の収縮期拍動)
  • 由来はドイツの医師Ottomar Ernst Felix Rosenbach(1851–1907)
  • 報告はÜber arterielle Leberpulsation. 1878:4:498-500(コレ?)
  • 甲状腺機能亢進で出現する閉眼時の眼瞼の微細な震えも同名徴候

 

😁 おまけ
  • 個人的には甲状腺クリーゼの若者で肝拍動を視診できたことがあります.もちろんこれもローゼンバッハ徴候(Rosenbach sign)と呼んでいい? 

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(投稿者 川崎)

2025-07-28

リンカーン徴候 Lincoln sign

  • 大動脈弁逆流症による大脈のため膝窩動脈が過度に拍動して下肢が周期的に動く現象
  • 同疾患で頭部が心拍に一致し前後にゆれるド・ミュッセ徴候(de Musset sign)の足版
  • 命名はこの所見を示した第16代アメリカ合衆国の大統領 Abraham Lincoln(1809-1865)
  • 1863年にガードナーが有名な写真 ビッグフット を撮影し左足のぼやけを指摘(下図)
  • ジャーナリストのブルックスが膝窩動脈の拍動で脚が僅かに動いた可能性を提唱した
  • 1961年医師ゴードンが身体的特徴からリンカーンはマルファン症候群であったと推測
  • 1964年シュワルツは彼のマルファン症候群の特徴に関する更なる系譜学的証拠を提示


左足先のみピントがぼけている点に注目

💀 追加コメント
  • リンカーンがマルファン症候群であったかどうかは今もって不明だそうです(DNAは未公表).著名な遺伝学者ビクター・マキュージックは、その確率を50:50としています(Nature 1991;352:279-81).ちなみに彼は暗殺された初めての米大統領です.
  • 本徴候は膝をうまく組んで(体側の膝の真上に膝窩動脈),下肢の力を抜くよう指導など,一定の条件を満たさないと出現しないと予想します.以前に大動脈弁逆流での足背動脈のコリガン脈を記録したことがありますが,とても微妙な所見でした(ココ)
  • 骨シンチグラフィにもリンカーン徴候と呼ばれる所見があるようです.下顎骨への核種の取り込みが過剰に亢進した(まるで黒ひげ)状態で,SAPHO症候群や骨パジェット病,悪性腫瘍転移,薬剤性顎骨壊死,副甲状腺機能亢進症などで認めるようです.

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(投稿者 川崎)

2025-04-30

左脚領域ペーシングの初報

  • 心室内刺激伝導系ペーシングであるHis束ペーシングは2000年に報告
  • 左脚ペーシングはHis束ペーシングに少し遅れ2017年頃に中国で開発
  • 循環器医 Huang W らの症例報告(Can J Cardiol 2017;33:1736.e1-3)
  • 右室中隔側よりリードをねじ込んで左脚を直接捕捉するという新発想
  • His束ペーシングの弱点(閾値上昇や手技困難など)を補うため注目
  • 左脚を捕捉できることもあれば左脚近傍ペーシングになることもある


各種ペーシング法のシェーマ(心電図は左脚領域ペーシング時)

💁 ペースメーカに関する過去の投稿 ➜ コチラ ペースメーカー

(投稿者 川崎)

2025-04-19

既往歴:スモン

  • 先日の紹介状に「既往歴:スモン」と記載されていました.もちろん聞いたことはありますが,ピンと来なかったので調べてみました.

💢スモン(SMON)
  • Subacute myelo-optico-neuropathyの略称で邦名は亜急性脊髄視神経症
  • 整腸剤のキノホルムの副作用によって引き起こされた薬物中毒(薬害)
  • 1960年代に日本で多発し男女比は1:3で患者数はおよそ11,000人と推定
  • 腹部症状が先行し下肢末梢から上行する感覚・運動障害,自律神経障害
  • 視力障害は20~30%の患者で認め,最重症の場合は失明する(約5%)
  • 治療は対症療法(ノイロトロピンの投与や鍼灸などにより下肢に対処)
  • 2019年時点でのスモン患者は約1,100人(患者の平均年齢は80歳を超)



(投稿者 川崎)

2025-02-16

肝油かんゆ

  • 患者さん「先生,肝油を摂ってもいいですか?」
  • 担当医師「肝油? なんですか,それ?」
  • 患者さん「知らないんですか? ひょっとして大阪じゃない?」
  • 担当医師「ええ,大阪出身ではないんですが…」
  • 患者さん「大阪人ならみんな知ってますよ,肝油」

🐟 肝油
  • 肝油ドロップは、日本で最初の固形肝油乳剤として明治44年に薬学博士・河合亀太郎により創生
  • ビタミンAやDが豊富に含まれ、栄養学的に非常に優れていたことから、戦前より多くの方が利用
  • 一方肝油には独特の臭いがあり安定性にも欠けていたことから継続的に使用する事が難しかった
  • 河合亀太郎は肝油の研究を重ねて、ゼリー状のドロップの形でビタミンを安定に保つ技術を開発
  • 肝油ドロップと名付け1911年から製造販売(現在は魚由来でなくて医薬品ビタミン原料を使用)


👶 おまけ
  • 幼稚園の時に10時に小さいグミのようなお菓子を一人ひとつずつ貰っていたことを思い出しました.あれはおそらく肝油だったと思われます.
  • 投稿者の外来をいつもサポートしてくれる医師事務の方(大阪生まれの大阪育ち)に尋ねると,「昔は風邪を引いたら肝油」だったそうです.
  • 上記の河合製薬株式会社は東京都中野区ですが,日本で最も古い肝油専門メーカーはめがね印のワカサ株式会社(大阪市北区)のようです.

(投稿者 川崎)

2024-10-12

👴 歴史クイズ

(CC BY 4.0)



(投稿者 川崎)