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2026-01-15

今週の一枚 🎯

高齢者:足趾の痺れ→腰痛と発熱

😈 化膿性椎間板炎
  • X線:腰椎骨棘著明 ➜ DISH?(下記参照)
  • CT:L4/5椎間板の周囲に脂肪織濃度の上昇
  • MRI:同椎間板腔に液貯留かつ前方に連続
  • 高度の変形性変化+両側の外側陥凹狭小化
  • ドレナージ液から黄色ブドウ球菌(MSSA)

😐 DISH(ディッシュ)
  • 脊椎および脊椎外に特徴的な骨増殖(骨化) を呈する変性疾患
  • びまん性特発性骨増殖症 Diffuse Idiopathic Skeletal Hyperostosis
  • 糖尿病,高血圧,肥満,呼吸器疾患などと合併することが多い
  • 本邦での頻度は6~12%(70歳以上の男性に限定すると約50%)
  • 機序は解明されていないが骨形成障害の疑い(遺伝的な要因?)


👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2026-01-08

今週の一枚 🎯

発熱と左顔面の発赤で来院した高齢者

😐 解説
  • 身体所見では左眼瞼~頬部の発赤と腫脹
  • 紅斑境界はやや不明瞭?で耳介波及なし
  • 帯状疱疹を疑う水泡または分布形態なし
  • 頭部CTで同部位は軽度肥厚(下図矢印)
  • 皮下組織の腫脹や濃度上昇は目立たない
  • 明らかな頭蓋内出血や腫瘤は指摘しない
  • 採血では白血球数は8100,CRPは1.05
  • 左顔面の丹毒と考え入院してABPC開始
  • 血培からS. dysgalactiae(G群溶連菌)

👂 耳よりな話 👂
  • 感染症による顔面の紅斑を生じる病態には丹毒蜂窩織炎があります.丹毒は真皮浅層の感染症であるため境界が明瞭ですが,蜂窩織炎は真皮深層から皮下組織が主座のため紅斑は境界が不明瞭になります.
  • 丹毒では耳介に病変が及ぶことが多いことが知られています(Milian's ear sign).本例は身体所見(境界不明瞭&耳介波及なし)からは顔面蜂窩織炎が疑われましたが,CTや血培所見は丹毒に合致

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(投稿者 川崎)

2025-11-14

レム睡眠行動障害 REM sleep behavior disorder: RBD

  • レム睡眠中の夢に関連した寝言・異常行動で睡眠時随伴症の一つ
  • レム睡眠は睡眠状態の一つでREM (rapid eye movement) sleepの略
  • レム睡眠中は骨格筋は弛緩し休息しているが脳は活動し覚醒状態
  • 50~60代以上の男性に多く高齢者でのRBD有病率は0.38~0.5%
  • RBDでは抑制機構が障害され夢の中での行動が現実の行動となる
  • 大声で寝言や腕を上げ何かを探す,殴る・蹴るなど(下表参考)
  • 原因が明らかでない場合も多いが約半数には中枢神経の疾患あり
  • 特にパーキンソン病レビー小体病,多系統萎縮症などで高頻度
  • 行動療法や寝室安全確保,必要時は抗けいれん薬(クロナゼパム

参考)厚生労働省,ほか

- RBD高齢者の病院受診に至るまでの体験 -

(投稿者 川崎)

2025-09-04

今週の一枚 🎯

上腹部痛と動悸を訴えるショックバイタルの超高齢者(認知症あり)


👺 偽性 Smaller SMV sign
  • 通常では上腸間膜静脈(SMV)が上腸間膜動脈(SMA)よりも大きい
  • 本例ではSMVの方が小さい(Smaller SMV sign/スモーラーSMV徴候)
  • 同サインを認めればSMAの閉塞(血栓症や塞栓症,解離など)を疑う
  • しかし本例ではSMA周囲の脂肪織濃度の上昇はなくDダイマーも陰性
  • 最終診断は発作性の頻脈性心房細動(+脱水など)による循環虚脱

👹 独り言
  • グーグルおよびGoogleScholarの検索では"pseudo smaller SMV sign"や"pseudo smaller superior mesenteric vein sign"は何もヒットしませんでした.
  • しかし本例の様に循環虚脱を生じている症例ではsmaller SMV signが偽陽性になることは容易に想像できると思われますのでここにアップしておきます.

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(投稿者 川崎)

2025-08-12

TRACP-5b(トラップ ファイブ ビー)

  • 略語 tartrate-resistant acid phosphatase(骨型酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ)の略
  • 分類 TRACPのうち骨由来のアイソザイム成分は 5a(マクロファージ)と 5b(破骨細胞)
  • 実際 血清0.5mlを要し2~4日で判明(目安:男性170~590 mU/dL,女性120~420 mU/dL)
  • 意義 破骨細胞による骨吸収で血中に放出されるため破骨細胞の数や骨吸収活性などを反映
  • 特徴 他指標と比べ血清であるため腎機能の影響を受けにくく日内変動や食事による影響も小
  • 適応 代謝性骨疾患および骨転移(肺癌,乳癌,前立腺癌に限る)の診断補助(判断料144点)
  • 再検 6月以内に1回に限り算定(治療方針を変更した際には変更後6月以内に1回に限り算定)

参考)WEB総合検査案内,他

 
(投稿者 川崎)

2025-08-09

日々勉強

  • 指導医師 「あの患者さん,ひどい便秘みたいだね」
  • 看護学生 「高齢者は嵌入便が多いって聞きました」
  • 指導医師 「かんにゅう…べん…どんな漢字? 😢」

嵌入便
  • 肛門手前にかたい便が溜まってしまった状態
  • 高齢者に多く嵌入便を自力で出すことは困難
  • 手袋とグリセリンなどの潤滑剤で摘便をする


😐 追記
  • 欧米では fecal impaction(FI)と定義されている,俗にいう糞詰まりの状態です.本邦では同様な状態は宿便,糞便充塞,糞便塞栓,嵌入便などと呼ばれていますが,統一した医学用語はないそうです.


(投稿者 川崎)

2025-07-08

😊 看護学生に教えてもらいました

  • 指導医師 「あの患者さん,喜寿が77歳って知ってたよ」
  • 看護学生 「喜寿,知っていた…どういうことですか?」
  • 指導医師 「認知症らしいけど,しっかりしてるってこと」
  • 看護学生 「それって,結晶性知能だと思うのですが…」
  • 指導医師 「けっしょう…せい…ちのう?」
  • 看護学生 「ええ,結晶性知能流動性知能の結晶性」
  • 指導医師 「…けっしょうって…どんな漢字かくの?😢」

結晶性知能(AI概要を参考)
  • 定義:長年の経験や教育、学習を通じ獲得される知能
  • 内容:言語能力、理解力、判断力、洞察力、知識など
  • 加齢:20歳以降も緩徐に発達して高齢になっても維持

流動性知能(AI概要を参考)
  • 定義:新しい状況に適応する情報を獲得し処理する能力
  • 内容:推理力や問題解決能力、記憶、計算、直感力など
  • 加齢:20代をピークに低下傾向(認知症で低下が目立つ

(いつもながら素晴らしい看護師のかげさん🐱🍌デザフェスL240•241 のX投稿より)

(投稿者 川崎)

2025-03-19

口腔内セネストパチー(口腔異常感症)

  • 奇異な表現で訴えられる,多彩で変動する口腔内の異物感や違和感である
  • 口腔内の不快感を訴えるが実際に異物はないと理解はしていることが多い
  • ネバネバ,ベタベタ,ヒリヒリ,乾燥,味覚異常,異物感,知覚過敏など
  • 精神科よりも歯科や耳鼻咽喉科など身体科を受診することが圧倒的に多い
  • 舌痛症(口腔灼熱症候群)と重複する症状も多く明瞭な分類が困難である
  • 訴えを傾聴し安易に否定しない/難治性で向精神薬等の有効率は50%以下
  • 全身に異常感覚が拡大する場合や,精神症状が強い場合は精神科と連携要
  • 特に高齢者では認知機能や精神状態、口腔癌など器質的疾患の確認を要す


(投稿者 川崎)

2025-03-18

デイサービス vs デイケア

  • デイサービスとデイケアはともに介護サービスで、似た名称のため混同されることがあります(僕も最近までそう)。
  • しかしデイサービスは「通所介護」、デイケアは「通所リハビリテーション」で、以下の表のような違いがあります。

デイサービス デイケア
目的 自立した日常生活のため
リハビリを通じた身体機能の維持・回復
対象 要介護1~5
要支援1~2または要介護1~5
内容 食事や入浴、排泄の支援など
リハビリや健康管理など医療的サポート
体制 基本的に単独で運営
病院や診療所などの施設内に併設
人員 介護・看護職員、生活相談員など
医師(常勤)・看護職員・PT/OTなど
費用 1回につき658円~1,148円
1月あたり715円~4,228円

参考)Benesse Style Care Co.,Ltd、他

(投稿者 川崎)

2025-02-20

今週の一枚 🎯

- 前日から嘔吐を繰り返してる高齢女性 -

😐 解説
  • 小腸の拡張と液貯留(腹腔内遊離ガスなし)
  • 左閉鎖孔から腸管突出・嵌頓(下図を参照)
  • 閉鎖孔ヘルニア(obturator hernia)と診断
  • 緊急手術(ヘルニア門閉鎖/腸管切除なし)

💁 復習:閉鎖孔ヘルニア
  • 坐骨と恥骨で構成される閉鎖孔をヘルニア門とするヘルニア(骨盤を構成する骨
  • 特徴は高齢・女性・多産・やせ(過去の投稿)で本例も多産以外あり(BMI 16.8)
  • 閉鎖孔を通る閉鎖神経の圧迫症状が出やすい(大腿の痺れや痛み他:本例はなし)

💫 ヘルニアに関する過去の投稿 ➜ コチラ

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2025-01-27

仕事外で訪れた老人ホームで...

下腿浮腫があるとスタッフから聞きました(座位)

👵 解説
  • 両側の下腿浮腫(圧痕性)
  • 頚部に眼をやると拍動あり
  • 拍動は陥凹なので頚静脈!
  • 非代償性心不全と診断した

 👴 現場実況
  • 本例のバイタルサインは安定し,息切れなど心不全を示唆する症状は全くありませんでした.ほとんどの時間をベットに腰かけて過ごしているため,施設のスタッフは重力による水分貯留と判断していたようです.
  • 内頚静脈の判定方法(シンプル頚静脈©)を施設スタッフにお伝えました.幸い翌々日が施設担当医の診察日で,そこで利尿薬が処方され改善 😀 原因はお菓子の大量消費による塩分過多と思われました 😮

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2024-12-24

嚥下性失神 Swallow syncope

  • 慢性心不全で長年フォローしている患者さんが定期受診の時に,不意に「先日,失神したんですよ」と笑いながら言いました.その時の状況をお聞きすると食事中に一瞬生じたようです.循環器疾患は長年安定しています.
  • 窒息という感じではなかったのですが,高齢者で嚥下機能も心配です.そこで耳鼻咽喉科をコンサルトしたら,嚥下性失神(疑)と診断されました.少量ずつよく噛んで食べるなどの食事指導も行ってくれました 😊 感謝

🍚 嚥下性失神(Swallow syncope)
  • 嚥下という特定の動作で誘発される神経調節性失神のひとつ
  • 食道の拡張や収縮による食道壁の緊張が迷走神経反射を誘発
  • 機序は徐脈や心停止,血圧低下,両者の合併から失神に至る
  • 基礎疾患は食道疾患(痙攣やヘルニア,癌)や心筋梗塞など
  • 治療は食事指導(難治性ならペースメーカ植込み術を検討) 


嚥下性失神が生じたパーキンソン病の73歳女性
  • 頸部食道をバルーン拡張するとP波が消失し5.9 秒の静止と意識消失
  • 引き続いてバルーン拡張を解除するとP波が出現し洞調律へ復帰した

(投稿者 川崎)

2024-11-14

今週の一枚 🎯

発熱で施設から搬送された高齢者(要介護5)



(投稿者 川崎)

2024-10-18

嗜銀しぎん顆粒性認知症 Argyrophilic Grain Disease

  • 概略 嗜銀顆粒を特徴とする病理学的に定義された脳疾患
  • 初報 独のH BraakとE Braak(Neurosci Lett 1987;76:124-7
  • 疫学 高齢者に多くて65歳で9.3%,100歳以上で31.3%と報告
  • 症状 緩徐進行の健忘性軽度認知障害(ドネペジルには不応)
  • 合併 高頻度に神経精神症状(易怒性,頑固,自発低下など)
  • 画像 左右差のある側頭葉内側前方の萎縮,機能・血流低下
  • 所見 髄液バイオマーカーやアミロイドPETは原則として正常
  • 診断 確定には病理学的評価が必要(通常は死後にのみ可能)


好銀性粒子病の神経病理学的特徴

(投稿者 川崎)

2024-08-22

今週の一枚 🎯

嘔吐の翌日に酸素飽和度が低下した高齢者

🔍 解説
  • 右下肺野に透過性の低下あり(肺炎の疑い)
  • 心陰影と重なるガス像(内部に隔壁あり!
  • 数年前の所見では胃泡(食道裂孔ヘルニア)
  • 今回は大腸滑脱の疑い(後にCTで結腸確認)
  • 最終診断はイレウスに合併した誤嚥性肺炎
🐤 独り言
  • 本例に発熱(37.5度以上)はなかった.しかし誤嚥と酸素飽和度の低下,胸部X線で下肺野に浸潤影などから誤嚥性肺炎の診断は難しくない.
  • 本例の嘔吐の原因は糞便イレウスと考えられた.明らかな腹部症状はなかったが,胸部X線の注意深い読影からイレウスも予想可能と思われる.
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(投稿者 川崎)

2024-07-20

老人性血管腫 Cherry angiomas

  • 良性の血管腫の一つで,特に症状はなく加齢に伴って増加する
  • 大きさは1~5 mmで赤ほくろやチェリースポットとも呼ばれる
  • 英語ではcherry hemangiomas, senile angiomasとも表記される
  • または英外科医(1811-76)に由来しCampbell De Morgan spots
  • 好発部位は体幹(胸部~腹部,背部)と腕(手や足,顔は稀)
  • 原因は不明(紫外線暴露や遺伝的要因,摩擦,妊娠と関連?)
  • 治療はレーザー治療(下図)や切除,凍結療法(全て自由診療)


チェリー血管腫へのレーザー治療:治療前,治療直後,4~6週間後の順

(投稿者 川崎)

2024-07-14

ロレータ Rollator

😶 先日の紹介状から 
  • (省略)~フロア内は ローレイター で移動自立されています~(省略)

ロレーター(Rollator)
  • rollator【名詞】roʊ.lə.t̬ɚ 歩行器(rolling walkersのこと)
  • 歩行器の一種(本邦では通常4本脚の前方2本がキャスター?)
  • 二輪式歩行器とも呼ばれ病院や施設の訓練や介護などで使用
  • 後脚を引きずるようにして1歩ずつ確実にすすむことができる
  • ローレーターやロレーター,ローレイターなどとも呼ぶ様子

ロレータの1例 

(投稿者 川崎)

2024-06-15

GLIMグリム基準 GLIM criteria

  • Global Leadership Initiative on Malnutritionの略で成人の低栄養診断基準
  • 世界の栄養学のエキスパートが協力して提案(Clin Nutr 2020;39:2872-80
  • glim(古俗でろうそくや明かり)とかけている?(グリム童話はGrimms) 
  • 世界基準で多くのガイドラインにも記載(例:日本循環器学会の合同GL) 
  • 第1段階で栄養スクリーニングを行い,問題があれば第2段階へ進んで診断


💁 栄養に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら右下欄からも選択可能)

(投稿者 川崎)

2024-05-25

ホーン・ヤールのスケール Hoehn and Yahr scale

  • パーキンソン病の進行度を評価するスケール(基本的に徐々に進行する疾患)
  • 米国の脳神経内科医 Hoehn MMとYahr MDが作成(Neurology 1967;17:427-42
  • 手 ➜ 同側の足 ➜ 対側の手 ➜ 対側の足というN字型進行が多い(足発症あり)
  • 0~5度の6段階で評価(下表)し3度以上が難病医療費助成制度の対象になる


ホーン・ヤールの重症度分類 
0度 パーキンソニズムなし
1度 一側性パーキンソニズム
2度 両側性パーキンソニズム
3度 軽~中等度パーキンソニズム。姿勢反射障害(姿勢保持障害)あり。日常生活に介助不要
4度 高度障害を示すが、歩行は介助なしにどうにか可能
5度 介助なしにはベッド又は車椅子生活


💁 パーキンソンに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2024-03-06

BeSMART:語呂合わせ


パーキンソン症候群に伴う症状の語呂合わせ
  1. Bending/forward tilt ➜ 屈曲/前傾
  2. Shuffling gait ➜ 引きずり足歩行
  3. Mask like face ➜ 仮面様顔貌
  4. Akinesia ➜ 運動失調
  5. Rigidity ➜ 固縮
  6. Tremor ➜ 振戦

💁 パーキンソンに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)