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2019-07-10

画像クイズ

  • 肺炎が疑われる症例の胸部CTの最尾側に偶然,記録された所見



(投稿者 川崎)

2022-09-29

🎯 今週の一枚

安静時の左胸痛を訴える高齢者



(投稿者 川崎)

2025-02-20

今週の一枚 🎯

- 前日から嘔吐を繰り返してる高齢女性 -

😐 解説
  • 小腸の拡張と液貯留(腹腔内遊離ガスなし)
  • 左閉鎖孔から腸管突出・嵌頓(下図を参照)
  • 閉鎖孔ヘルニア(obturator hernia)と診断
  • 緊急手術(ヘルニア門閉鎖/腸管切除なし)

💁 復習:閉鎖孔ヘルニア
  • 坐骨と恥骨で構成される閉鎖孔をヘルニア門とするヘルニア(骨盤を構成する骨)
  • 特徴は高齢・女性・多産・やせ(過去の投稿)で本例も多産以外あり(BMI 16.8)
  • 閉鎖孔を通る閉鎖神経の圧迫症状が出やすい(大腿の痺れや痛み他:本例はなし)

💫 ヘルニアに関する過去の投稿 ➜ コチラ

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2019-06-09

網嚢腔 Lesser sac (or Omental bursa)

  • 大網(greater omentum)と小網(lesser omentum)で形成される腹部内の空間
  • 網嚢孔(ウィンズロー孔,Omental foramenor)で大網による主要腹腔に連絡する

(青=網嚢,赤=主要腹腔/図はパブリック・ドメイン)

網嚢腔は内ヘルニア(体腔内の窩や孔などに臓器が迷入した状態)の原因になることがある.内ヘルニアは腸間膜裂孔ヘルニアが最多で,傍十二指腸ヘルニア,網囊裂孔ヘルニアと続く.

(投稿者 川崎)

2018-03-07

閉鎖孔ヘルニア


腹痛で来院例の腹部CT(造影) ➜ 




閉鎖孔ヘルニア62例の検討 (日臨外会誌 2008;69:2168-72)
  • 疫学 平均82.8歳(65-98歳),男女比は1:30
  • 分娩 女性での平均分娩回数は2.9回(0-8)
  • 体型 平均Body mass indexは15.4(12.0-22.4)
  • 患側 右側30例,左側11例,両側20例(1例は不明)
  • 徴候 Howship-Romberg 徴候陽性は27例(43.5%)
  • 診断 術前に診断されたのは44例(71.0%)
  • 整復 術前診断の44例中6例(13.6%)で用手整復
  • 余後 腸切33例(53.2%),院内死11例(17.7%)

ポイント 閉鎖孔ヘルニア ➜ 高齢・女性・多産・やせ 👀
  • 骨盤にある閉鎖孔からの腸管脱出であるため鼠径ヘルニアとは異なり鼠径部の腫脹は目立たない

(投稿者 川崎)

2026-04-09

今週の一枚 🎯

他疾患で手術を予定している高齢者

⛮ 解説
  • 臍部に腹腔内から腸管と脂肪組織の脱出
  • 腹壁からの観察では特記すべき異常なし
  • 偶発的に見つかった臍のヘルニアと診断
  • 臍ヘルニアに関する症状は全くない様子
  • 予定されていた他疾患の手術を実施した

⛯ 成人の臍ヘルニア(Umbilical Hernia in Adults)
  • 欧米では中年の女性に多いが,わが国では比較的まれ
  • 一度閉鎖した臍輪が,後天的に脆弱となるために発生
  • 誘因は高度肥満や妊娠・多産,腹水,腹腔内腫瘤など
  • 鑑別は上腹壁・傍臍・腹壁瘢痕ヘルニア,尿膜管遺残
  • 自然治癒は少なく陥頓する可能性があるため早期手術
  • 単純閉鎖や腹直筋筋膜を重ね合せ縫合,メッシュ修復
  • 再発率はBMI<30以下で8.1%,>30では31.8%と増加


👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2022-12-13

日本内科学会 第238回近畿地方会より

😐 個人的に気になった報告

演題38 経口避妊薬が原因と考えられた急性膵炎の1例
  • 入院時の血液検査にてTGが4633 mg/dlと高値であった。その原因として患者が服薬していた経口避妊薬であるドロスピレノン・エチニルエストラジオールが疑われた。

演題52 Sick dayに家族がSGLT2阻害薬を内服させ、正常血糖ケトーシスを発症した1例
  • 本症例では高度な慢性便秘により食事摂取量が低下している状況下(+認知症)でSGLT2阻害薬を内服したことにより正常血糖ケトーシスを発症したと考えられた。

演題146 発熱患者における血液ガスを用いた入院判断
  • Lac<2 , pO2<65 , 3.3<K<4.4 の3条件のうち、ひとつでも満たさない患者は入院と判断されており、感度90%、特異度83%であった。

演題181 左房拡張障害を呈した食道裂孔ヘルニアの1例
  • 食道裂孔ヘルニアによる左房拡張障害が肺動脈圧の上昇に寄与し、結果として心不全症状を来したと考えられた。

演題195 バイアスを意識し診断し得た憩室出血、真性多血症の1例
  • 認知要因は「また同じ憩室出血だろう」という利用可能性バイアス,血小板増多を精査しなかった検索に対する満足,血小板増多がAvWSを合併しうることを知らないという医療情報不足と考えられた.


👻 当院からの発表
  • 演題56 メトホルミン内服中に腎後性腎不全による乳酸アシドーシスを来した1例(糖尿病・内分泌内科 堀内萌生先生)
  • 演題62 アルコール性ケトアシドーシスを契機に発見された緩徐進行1型糖尿病の症例(糖尿病・内分泌内科 山本慎大先生)
  • 演題207 非髄膜炎菌性Waterhouse-Friderichsen症候群疑いの1例(総合診療科 間瀬泰我先生)

😇 みんなの発表とてもナイスだったそうです(今回は循環器地方会と同日のため参加できず)

💁 学会に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2022-01-13

🎯 今週の一枚

降圧薬が足りなくなったため来院した症例



(投稿者 川崎)

2023-05-06

ハーラー症候群 Hurler syndrome

  • 概要 ムコ多糖症Ⅰ型の一つで最重症型(他の型はシャイエ症候群で緩徐に進行)
  • 原因 α-L-iduronidase の先天的な欠損による常染色体の潜性(劣性)遺伝性疾患
  • 由来 独の小児科医Hurlerの1919年の報告(実は1917年にHunterが報告すみ:※)
  • 疫学 ムコ多糖症Ⅰ型の発症は約10万人に1人と報告(本邦では約70症例が報告)
  • 特徴 特異的顔貌,精神運達障害,肝脾腫,眼耳の疾患,関節拘縮,ヘルニア他
  • 診断 尿中ウロン酸測定(1次検査),血中α-L-イズロニダーゼ活性測定(確定)
  • 治療 酵素補充療法や造血細胞移植(進行は完全には止められない)+対症療法
  • 予後 病初期に診断して治療を開始することができた症例では予後は比較的良好


(a,b)生後6ヵ月のハーラー症候群男児,(c)ハーラー症候群の4歳少女,(d)3歳のHurler-Scheie症候群の男児,(e)4歳のHurler-Scheie症候群の男児

(投稿者 川崎)

2025-03-24

クッシング現象 Cushing reflex

  • 概要 頭蓋内圧の急激な上昇に対する生理的な神経系の反応
  • 症状 収縮期血圧上昇,徐脈,不整呼吸の三徴を引き起こす
  • 由来 米国の脳外科医 Harvey Williams Cushing (1869–1939)

クッシング現象の機序

💣 頭蓋内圧上昇
  • 初期徴候は頭痛や吐気,嘔吐,意識レベルの変化などです.一方,クッシング現象は後期徴候で,脳幹ヘルニアが差し迫っていることを示します.クッシング反射を呈する多くの患者は不可逆的な状態で予後は不良です.
  • 初期治療は頭蓋内圧を下げることです.患者の頭部を30~45度挙上することや浸透圧利尿薬として作用するマンニトールやフロセミド,過換気の誘発,ステロイド,または脳脊髄液ドレナージなどが含まれるようです.


(投稿者 川崎)

2020-01-01

恒例の元旦からグラム染色クイズ

  • 発熱と意識障害 GCS 10 (E4V2M4) で来院した症例
  • 項部硬直もあったため頭部CT後に髄液穿刺を施行




(投稿者 川崎)

2018-02-03

松下金曜会 「殿部,股関節および大腿部の疼痛」

殿部,股関節および大腿部の疼痛のレッドフラッグと重篤な原因
  1. 腸や膀胱の制御低下または持続性の感覚障害 ⇒ 腰の神経根障害または脊髄障害(特に急性腰椎椎間板ヘルニア)
  2. 体重を支えられない ⇒ 股関節骨折または大腿骨頭無菌壊死
  3. 大腿部に疼痛を伴う発赤と腫脹(特に総大腿静脈上) ⇒ 大腿の深部静脈血栓(肺梗塞や心肺合併症のリスクが高い)
参考書籍:「聞く技術 答えは患者の中にある」

(投稿者 川崎)

2018-10-29

ぎっくり腰

  • 急性腰痛症(acute low back)の俗称であるが,急性腰痛症も病名ではなく病態名である
  • 心不全が病名ではなくて病態や状態を表す用語(≒症候群)であるのと同様 ➜ コチラ
  • 欧米ではその病態から魔女の一撃(ドイツ語:Hexenschuss)とも呼ばれているようです

(パブリック・ドメイン/魔女の一撃 Hexenschuss 1490年)

急性腰痛症の原因
  • 腰部椎間板断裂
  • 椎間板ヘルニア
  • 脊椎圧迫骨折
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 脊椎すべり症
  • 悪性腫瘍
  • 化膿性脊椎炎
  • その他(腹部大動脈瘤や尿路結石など)

👴 狭義の急性腰痛症は原因が同定できない非特異的腰痛(日常臨床では多くがこの範疇)

(投稿者 川崎)

2018-02-27

2017年度JAMEP 基本的臨床能⼒評価試験 (II. 症候学・臨床推論)

  1. 髄膜炎の診断には髄液検査が重要であるが,脳ヘルニアの兆候がある場合は腰椎穿刺は禁忌(例:急激な頭痛の増悪,瞳孔不同,意識障害の進行,呼吸異常)
  2. 小刻み歩行はパーキンソン病を代表とする錐体外路異常を示唆するものである.安静時振戦を呈していなくてもパーキンソン病を除外してはいけない.
  3. クエチアピン(商品名セロクエル)は糖尿病に禁忌である.一方,リスペリドン(商品名リスパダール)は腎代謝であるため慢性腎臓病の患者には適さない.
  4. 結核性胸膜炎における最も親和性の高い指標はADAで,30 IU/L以上を分割値とした場合の感度は92%である.
  5. 小児の軽症中耳炎では抗菌薬非投与で3日間の経過観察が勧められている.もし抗菌薬を投与するならペニシリンアレルギーなどがなければアモキシシリンが第1選択薬
  6. Z薬(Z-drug=ベンゾジアゼピンに類似した作用を持つ非ベンゾジアゼピン系の医薬品)はせん妄を増悪させるため注意を要する.例えばゾルピデム(一般名マイスリー),ゾピクロン(一般名アモバン),エスゾピクロン(一般名ルネスタ)など.
(投稿者 川崎)

2017-02-03

松下金曜会 「尿失禁」

尿失禁のレッドフラッグと考慮すること
  1. 認知状態の急性変化を伴う尿失禁 ⇒ 代謝障害,脳卒中
  2. 排尿できないまたは連続的な失禁(数分毎) ⇒ 溢流を伴う重症の尿閉
  3. 排尿困難を伴う尿失禁 ⇒ 性感染症による尿道炎,エストロゲン欠乏による萎縮性尿道炎
  4. 排尿終了数分後の尿意と排尿(中等度~大量) ⇒ 大きな膀胱ヘルニア
  5. 肉眼的血尿を伴う尿失禁 ⇒ 出血性膀胱炎,膀胱癌,尿道癌
  6. 多尿症を伴う尿失禁 ⇒ 代謝障害(高血糖,高カルシウム血症)
  7. 排尿中に糞便または大きな気泡 ⇒ 骨盤癌,骨盤照射による膀胱直腸瘻
  8. 直立姿勢や運動で継続する尿漏れ ⇒ 尿道括約筋不全または重症骨盤底虚脱
参考書籍:「聞く技術 答えは患者の中にある」

(投稿者 川崎)

2020-09-21

食道憩室 Esophageal diverticulum

🚑 臨床現場
  • 先日,アブレーション前の経食道心エコー図で,プローブの挿入が困難な症例を経験しました.最終的に食道憩室があることが判明しました.経食道心エコー図のガイドラインにも食道憩室はしっかり明記されていますが…

🍚食道憩室 
  • 頻度 エックス線造影検査で1.03%~1.4%,内視鏡で1.6%
  • 症状 無症状~つかえ感,嚥下障害,胸痛,胸焼け,咳嗽など
  • 成因 内圧性憩室,牽引性憩室,内圧牽引性憩室の3つに分類
  • 部位 咽頭食道15.8%,気管分岐部73.0%,横隔膜上11.2%
  • 治療 無症状や小憩室では不要/強い症状やに瘻孔では手術


👹 経食道心エコー図の原則禁忌(ガイドライン2010年改訂版)
  • 食道狭窄・食道静脈瘤・潰瘍・腫瘍・憩室・食道裂孔ヘルニア
  • 胃・食道手術後
  • 頸椎の可動性低下の認められる状態
  • 頸部への放射線治療後
  • 検査への理解・同意・協力が得られないなどの場合

👺 経食道心エコー図の主な合併症(ガイドライン2010年改訂版)
  • 痛み・嘔吐・喉頭部出血
  • 気管支攣縮・喉頭攣縮
  • 肺水腫・頻脈発作・完全房室ブロック・狭心症発作
  • 低酸素血症・血圧低下・血圧上昇
  • 食道損傷・食道穿孔

🔗 関連投稿(食道疾患編)

(投稿者 川崎)

2019-04-11

眼クイズ

  • 心疾患で入院中の症例.順調は経過で近日中の退院を予定していた.
  • ある朝,前日までは認めなかった左眼所見に気付いた(本人は無症状)




(投稿者 川崎)

2022-06-11

ラセーグ徴候 Lasègue's sign

  • 坐骨神経麻痺の鑑別法でSLRテスト(Straight Leg Raising Test)や下肢伸展拳上検査とも言う
  • 仰臥位の被験者で片側の下肢を進展位で挙上して,30度〜70度で坐骨神経痛が出現したら陽性
  • 臀部の筋収縮によって坐骨神経が圧迫されるためで,陽性なら椎間板ヘルニアなどが疑われる
  • 由来はフランスの整形外科医 Ernest-Charles Lasègue (1816–1883) で神経性食欲不振症も報告

(Public Domain)

💁 腰痛に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2025-02-07

頚静脈の座位定性法も無敵ではありません

鼠経ヘルニア術前に心電図異常を指摘された症例(座位)


  • 息切れなど心不全を示唆する症状はないが,BNP値は150 pg/ml程度に上昇していた.心エコー図には特記すべき異常所見はなし.
  • 心不全の有無を判定するため頚部を観察したが,大きな腫瘍に占拠されていた.橋本病による長い治療歴あり(現在はeuthyroid)
  • 心音でも心不全を示唆する所見(Ⅲ音やⅡ音肺動脈成分の亢進など)はなし.日常生活から判定した運動耐容能も保たれていた.
  • 胸部圧迫感の自覚はなく,冠危険因子も高血圧のみ.最終的に手術に支障はないと判断して,紹介元の外科医に返書を作成した.
  • 稀ながら頚静脈の座位定性法が困難が状況がある.甲状腺疾患による甲状腺腫,肥満,猪首,座位姿勢の困難例などが相当する.

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2021-11-10

ASA PS: American Society of Anesthesiologists Physical Status

  • 術前の麻酔科における簡便なリスク評価で予後とも相関する
  • 米国麻酔科医会の依頼で作成(Anesthesiology 1941;2:281–4)
  • 現在の仕様は2014年版で,最終更新は2020年12月 ➜ コチラ

❻ 以下の6クラスに分類(緊急手術ではEを追加)
  1. 手術の対象疾患は局在的で全身的な障害なし(例:他が健康な症例の鼠径ヘルニアあるいは子宮筋腫)
  2. 軽度の系統的な障害(例:喫煙者,妊婦,コントロールされた高血圧や糖尿,新生児または80歳以上)
  3. 重症の系統的な障害(例:コントロール不良の糖尿や高血圧,COPD,BMI 40以上の肥満:本邦は35?)
  4. 生命をおびやかす高度の系統的疾患(例:3月内の心筋梗塞や脳血管障害,血液透析,EFの高度低下)
  5. 瀕死状態で手術でも助かる可能性は少ない(例:動脈瘤破裂でショック,広範な肺塞栓,多臓器不全)
  6. 脳死状態の臓器移植ドナー

(投稿者 川崎)