🐧 特発性食道破裂(Boerhaave症候群)
- 器質的疾患を有さない食道が内圧の急上昇に伴い破裂した状態で誘因は飲酒や排便,分娩など
- 早期(発症24時間以内)に外科的治療を考慮(近年は胸腔ドレナージによる保存例の報告も有)
- 命名はオランダの医師ブールハーフェ(1668-1738)の報告に由来(Lugduni Batavorum, 1724)
- 本邦では海軍軍医であった吉田太助が偶発性食道破裂の1例を報告(海軍軍医会誌 1935;24:97)
- 本例ではCTで診断した後に見直したが,胸部X線に特記すべき異常なく皮下に圧雪音もなかった
😗 「飲酒後の食道損傷 ➜ マロリー・ワイス症候群」ではない!
- 特発性食道破裂とマロリー・ワイス症候群は,いずれも多量飲酒後の嘔吐時に生じることが多いが,前者は食道破裂で後者は食道裂傷.特発性食道破裂は疼痛が強く予後不良,マロリー・ワイス症候群は疼痛が少なく予後良好.ちなみにマロリー・ワイス症候群(Mallory-Weiss syndrome)は米国の医師WeissとMalloryの初報に由来(Am J Med Sci 1929;178;506–15)
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(投稿者 春名/川崎)
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