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2026-05-21

今週の一枚 🎯

健診の胸部X線で異常を指摘された症例


(投稿者 川崎)

2026-04-19

エワルト徴候 Ewart sign

  • 大量の心膜液が貯留した時にみられることがある局所的な肺の聴打診所見
  • 心膜液で左肺底部が圧迫され左肩甲骨下角下方に打診上の濁音域が生じる
  • 通常は左側(稀に右側)に触覚振盪の増強と吹鳴呼吸音(blowing sound)
  • 英医師 William Ewart (1848-1929) の報告に由来(Br Med J 1896;1:717–21) 
  • 別名はBamberger–Pins–Ewart徴候(循環器学用語集に収載)やPins症候群


(Dr. Ewartの実際の報告より ← 130年前の論文が読めます)

💁 打診に関する過去の投稿は コチラ

(投稿者 川崎)

2026-04-15

第123回日本内科学会講演会 医学生・研修医・選考委の内科学 ことはじめ2026より

😀 個人的に気になった演題

演題 19 機械学習モデルを用いたガットフレイル関連因子の解析
  • ガットフレイル(Gut Frailty)とは、胃腸(Gut)の機能が長期にわたって低下し、弱った(Frailty)状態を示す新たな概念です。便秘や下痢、胃もたれといった不調が慢性的に続くことで、将来的な老化の進行や、がん、糖尿病、認知症(アルツハイマー病)などの全身疾患のリスクを高める要因として注意が喚起されています。

演題 74 飛行機移動を契機に出現した左側大量難治性肝性胸水に対し、腹腔内色素注入による横隔膜交通症を証明し外科的閉鎖を行った一例
  • 横隔膜交通症とは腹腔と胸腔の間の横隔膜に小さな穴(瘻孔)ができ、腹腔内の液体(主に腹膜透析液)が胸腔へ漏れ出る病態。飛行機の離着陸時や急激な天候変化(低気圧)などによる急激な気圧変動を受けた際に、顕性化することがある。

演題 317 MAGIC症候群が疑われる気道病変に対する気道ステント留置症例
  • 再発性多発軟骨炎は、全身の軟骨組織に炎症が生じる疾患です。耳や鼻、目、関節など、軟骨やコラーゲンを豊富に含む組織に多彩な症状を引き起こします。本疾患がベーチェット病を合併した場合は、MAGIC症候群(Mouth And Genital ulcers with Inflamed Cartilage syndrome:炎症性軟骨を伴う口腔および陰部潰瘍)と呼ばれます。

演題 519 HBOC患者の多重癌にみられるBRCA2の2nd hitの多様性
  • HBOC(遺伝性乳がん卵巣がん症候群:Hereditary Breast and Ovarian Cancer syndrome)は、主にBRCA1またはBRCA2遺伝子に生まれつき存在する変異(病的バリアント)によって、乳がんや卵巣がん、前立腺がん、膵がんなどを発症しやすくなる体質を指します。遺伝性腫瘍の代表的な例であり、親から子へは約2分の1の確率で受け継がれる可能性があります。

😎 当院からの発表演題
  • 演題 157 感染を契機に重症の甲状腺機能低下症に至った一例(糖尿病・内分泌内科 太田羽奏先生)
  • 演題 388 Guillain-Barre症候群様の急激な末梢神経障害を呈しベンラリズマブが奏功した好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の1例(総合診療科 松村実穂先生)

😃 二人ともとてもいい発表でした(松村先生は優秀演題賞ゲット!)

💁 “学会”に関連する過去の投稿 ➜ コチラ(ウェブ版なら右欄からも選択可能)
(投稿者 川崎)

2026-03-23

フィジカルクイズ(No. 45 & 46)

  • 循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.
  • 2025年4月から毎週金に循環器に関するフィジカルクイズをX(旧Twitter)で発信しているので,よろしければフォローしてみてください(@PhysicalExamin1).こちらのページには2週分ずつまとめてアップします.



👻「フィジカルクイズ」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2026-03-12

今週の一枚 🎯

中年女性の術前レントゲン

👀 頚肋けいろく(Cervical Rib)
  • 頚椎の横突起が先天的に過剰発達した状態(矢印)
  • 人口の約0.5~1%に発生して第7頸椎への付着が多い
  • 形状や付着部位は様々(片側性または両側性あり)
  • 多くの症例では症状なし(X線写真などで偶然発見)
  • 局所的な疼痛や周囲構造を圧迫時には介入が必要



👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2026-01-13

循環器学会専門医試験問題より

😅 独り言
  • 先日の出題「心拍出量のFick法」のページに記載されていた問題です.全く分からなかったので,適当に答えたら(もちろん)間違っていました.
  • 薬理作用を考えたら「なるほど…」の選択肢です.反省を込めてここにアップします.当院採用の肺高血圧の治療薬はココ(2022年時点ですが…)


【問題】特発性肺動脈性肺高血圧症の臨床診断で Macitentan と Sildenafil で初期併用療法を行ったとこ ろ,急激な肺うっ血をきたした.最も可能性が高い診断はどれか.







判定


😐 解説:正解 a
  • 肺静脈閉塞性疾患(PVOD)はまれで,診断も治療も難しい難病である.有病率は人口100万人あたり2名以下で,2年以内で死亡する例も多い.肺毛細血管腫症(PCH)とはその異同が議論されている.特発性,遺伝性,薬剤性のほか膠原病と関連しても発生する.
  • PVOD/PCHでは,肺胞中隔から小葉間中隔の微小な肺静脈で狭窄や閉塞が起こる.この抵抗に逆らって血液を流すために右室は高圧を出すが,やがて耐え切れずに右心不全となり,死に至る.確実な診断には肺生検が必要だが,リスクが高いので現実に行われることはあまりない.肺動脈性肺高血圧症(PAH)の診断基準に合致するが,肺拡散能が低下していたり,運動時に極端に低酸素になったり,肺のHRCTで小葉中心性のすりガラス陰影が見られたり,縦隔リンパ節の腫大や小葉中隔壁肥厚が見られたりする場合に,臨床的に診断することが多い.
  • 主病態は肺細静脈の閉塞であり,しかもその閉塞は線維性であるので,平滑筋細胞に働きかけるPAH特異的治療薬は,普通に使えば無効か有害である.肺細動脈を拡張させれば血流は増えるが肺細静脈が閉塞しているのでその手前の肺胞で水腫が起こりうる.しかし,わが国では脳死肺移植は希望者登録をしてから3年以上の待期期間があるのが一般で,移植を待つ間に死亡する例も多い.そこで,肺血管抵抗を少しでも下げて右室の負荷を軽減しようと,PAH特異的治療薬をあえてPVOD/PCHの患者に試みることもある.これには相当な技術と経験が必要で,しかも決して移植に代わる治療とはならない.


(投稿者 川崎)

2026-01-10

血管 輪りん Vascular Ring

  • 大動脈弓やその分枝が気管や食道の周囲を取り囲み圧迫する先天異常
  • 両側第4鰓弓動脈の遺残で重複大動脈弓 ➜ 一部の血管が退縮し血管輪
  • 重複大動脈弓によるものと右側大動脈弓に伴うものが多くを占めている
  • 右側大動脈弓では動脈管索例と動脈管索に加え鎖骨下動脈の起始異常例
  • 無症状~喘鳴,反復呼吸器感染,嚥下障害,頻回の嘔吐,体重増加不良
  • 重症の気管(支)軟化合併なら啼泣や哺乳で致命的呼吸不全(dying spell)
  • コメレル憩室(鎖骨下動脈起始部の瘤状拡張)による血管輪あり(下図)
  • 症候性なら早期に血管輪の解除術(+気管支や食道の再建術やステント)


- 血管輪による食道の後方圧迫像 -

図2. ( a ) 後方を向いた 3D 再構成の CT スキャンでは、異常な左鎖骨下動脈とコメレル憩室を伴う右側大動脈弓が示されている。 ( b ) コメレル憩室を伴う閉鎖遠位左大動脈部分を伴う二重大動脈弓を示す。CT スキャン 3D 再構成。 ( c ) 食道造影写真では、異常な鎖骨下動脈のコメレル憩室 (白い矢印でマーク) によって引き起こされる後方圧迫が示されている。 AA = 大動脈弓、KD = コメレル憩室、DA = 下行大動脈 (AI訳)

(投稿者 川崎)

2025-11-08

肺動脈瘤 Pulmonary Artery Aneurysm

  • 先日、心エコー図カンファレンスで肺動脈瘤の症例を経験しました。この病態に詳しい参加者がいなかったため、その後に調べた内容をここにアップしておきます。
  • 日本循環器学会で公開されている各種ガイドラインでも「肺動脈瘤」に関する記載はほとんどありませんでした(個人的な検索では「肺動脈瘤」の記載は1件のみ)
  • 頻度 不明であるが剖検10,957例で8 例(0.07%)
  • 定義 未確立であるがおよそ直径が29 mm以上? 
  • 原因 特発性と二次性(先天性と後天性)に二分
  • 先天 PDA・ VSD・ASDが多く、PS合併例もあり
  • 後天 感染、血管炎、PH、慢性肺塞栓、医原性
  • 症状 無症状~臓器圧迫、血栓、血痰、破裂ほか
  • 手術 径≧5.5 cm、拡大が半年で≧0.5 cm、症状
  • 術式 肺動脈縫縮術や肺動脈瘤切除人工血管置換


- 肺動脈瘤による左主幹部の圧迫で心筋梗塞を生じた症例 -

(投稿者 川崎)

2025-10-06

心音クイズ(Q11・Q12)

  • 持田製薬さんと作成している心音クイズのシーズン2 第二弾です(GROUP T inc.さんにも感謝 🙏).今回はちょっと珍しい右心系の心雑音を呈した2症例です.ココで経験しておけば実際の臨床現場で遭遇した時にも迷わずフィジカル診断?
  • 今後も3ヵ月毎に2症例ずつアップする予定です(次回は2025年11月の予定).無料なのでよろしければご覧ください(※Q3以降は初回のみ簡単な登録が必要).一緒に聴診学の楽しさと奥深さを共有できれば作成者としては嬉しい限りです 😁


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(投稿者 川崎)

2025-07-09

肺毛細管腫症 PCH: pulmonary capillary hemangiomatosis

  • 病態 毛細血管が気管支壁や血管壁,肺胞隔壁,胸膜に増殖浸潤
  • 臨床 肺の動静脈が破壊され肺高血圧症を引き起こす極稀な疾患
  • 初報 オランダ病理医Wagenvoortら(Histopathology 1978;2:401-6)
  • 疫学 男女差はなく発症は30~40歳代が中心(本邦で100例程度)
  • 症状 非特異的(呼吸困難,喀血,胸痛で発症し右心不全へ進行)
  • 原因 不明(血小板由来成長因子や常染色体劣性遺伝の関与?)
  • 画像 胸部X線=結節網状影,胸部CT=小葉中心性の淡い結節影
  • 鑑別 肺動脈性肺高血圧症PAHや肺静脈閉鎖症PVOD(病理組織要)
  • 治療 肺移植のみ完治療法(PH治療薬は通常抵抗性で予後不良)


- 急激に悪化して剖検で肺毛細管腫症 PCH と診断された54歳女性 -

(投稿者 川崎)

2025-05-27

キャノンボール転移 Cannonball metastases

  • 両肺に境界明瞭で大きく丸い外観を呈した転移形態
  • 肺の豊富な血管床では腫瘍の塞栓が生じやすいため
  • 肺転移が著しく進行するとしばしば原発が診断困難
  • 診断時には病気は進行し治癒不能・予後不良が多い
  • 腎細胞癌はキャノンボール転移の最多の原因の一つ
  • 他は絨毛癌や黒色腫,精巣腫瘍,骨肉腫,甲状腺癌


- 急速に進行した縦隔絨毛癌(矢印)の18歳男性 -

🎾 おまけ
  • AIによるCannonballの概要 ➜「キャノンボール」にはいくつかの意味があり,具体的には,球形の砲弾・高速で威力のあるテニスのサーブ・特急列車・非公式の自動車レースなどを指します.また抱え型飛び込みや無駄な時間を使ったりする状況を表すスラングとしても使われます.
  • 個人的には『キャノンボール』(英題:The Cannonball run)という,市販車でどれだけ速くアメリカを横断できるかを競う非公認レースの映画を思い出します(1981年公開:公式トレーラー).なお当院で経験した症例の原発は,剖検で下肢の血管肉腫であることが判明しました.

👉 転移に関するの過去の投稿は コチラ

(投稿者 川崎)

2025-05-21

当院採用の肺高血圧症治療薬

分類

商品名

一般名

効能効果

薬価

PAH

CTEPH

PGI2系薬

静注用フローラン0.5mg

エポプロステノール

○

11,865.0円/瓶

ベラプロストNa錠20μg

ベラプロスト

○

13.5円/錠

ケアロードLA錠60μg

ベラプロスト

○

109.3円/錠

ウプトラビ錠0.4mg

セレキシパグ

○

○

2,902.8円/錠

ET受容体拮抗薬

トラクリア錠62.5mg

ボセンタン

○

 

3,327.0円/錠

ヴォリブリス錠2.5mg

アンブリセンタン

○

 

3,401.8円/錠

オプスミット錠10mg

マシテンタン

○

 

13,334.9円/錠

PDE-5阻害薬

レバチオ錠20mg

シルデナフィル

○

 

742.2円/錠

アドシルカ錠20mg

タダラフィル

○

 

980.5円/錠

sGC刺激薬

アデムパス錠1.0mg

リオシグアト

○

○

1,371.7円/錠


(投稿者 小森)

2025-05-17

🏆 論文

  • 当院の初期研修医の江上先生が循環器内科で経験した症例報告が出版🎉
  • 主訴は安静時の胸部違和感で身体所見や心電図(茶),胸部X線は正常
  • 心エコーも正常 ➜ 運動負荷Tl心筋シンチとホルター心電図を予約した
  • 検査当日,負荷前の問診で「数日前から強い息切れがある」ことが判明
  • 心電図(緑)ではST-T変化はないが,負荷は中止して循環器外来を受診
  • 頚静脈所見に異常はなかったが左胸部で呼吸音と音声振盪の減弱を確認
  • 画像で左側気胸 ➜ 心電図を見直すと気胸部位の誘導でR波減高(矢印)
  • 左側にトロッカーを挿入して気胸は改善 ➜ 直後の心電図も改善(青)
  • 退院後に行った冠動脈CTは正常,ホルターで発作性心房細動が判明した

🙈 本論文の考察より
  • 気胸による心電図異常所見の発生率は,自然気胸を呈した57人の青年のうち21%で,心エコー検査で異常所見を示した患者は4%のみであった.
  • 気胸は電気軸の変化やST部分の変化,T波の異常,不整脈などの心電図変化を引き起こすが,これらの変化は気胸の重症度や部位によって異なる.
  • 自然気胸連続40人の心電図解析では,左気胸ではV2からV6誘導のQRS振幅が有意に減少し,右気胸ではV5およびV6誘導のQRS振幅が増大した.

👉「論文」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

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(投稿者 川崎)

2025-01-14

医療用炭酸ガス Medical carbon dioxide

🙈 効能または効果(添付文章)
  • 酸素吸入時の呼吸中枢の刺激。 
  • 高山病における呼吸困難,麻酔時における覚せいと手術後の肺拡張不全の予防。
  • 一酸化炭素,モルヒネ,シアン化合物などの中毒時における呼吸中枢の興奮性低下。
  • 炭酸水の水浴による脈拍及び拡張期血圧の減少,静脈血の心臓還流の改善と拍出量の増加,皮膚の充血,呼吸量の増加。
  • ドライアイスでの狼瘡,色素斑などの皮膚疾患の腐食剤としての使用。
  • 腹腔鏡下外科手術に必要な視野及び術野の確保。
  • X線コンピュータ断層撮影に必要な腸管の拡張。

🙉 血管内投与
  • 歴史 放射線科の領域では古くは1920年代から陰性造影剤として使用
  • 対象 腎不全患者や造影剤へのアレルギー様反応のリスクが高い症例
  • 病変 腹部動脈,シャントや末梢動脈,腹部大動脈(ステント挿入)
  • 注意 ボンベとつなげたまま炭酸ガスのカテーテル内への注入は禁止
  • 商品 海外は血管撮影用の送気装置が発売されている(日本は未採用)
  • 指針 腎透析用のシャントPTAのガイドラインに記載されているのみ


🙊 呟き
  • 炭酸ガス造影の安全性はかなり高いことが知られています.例えば末梢動脈疾患に対する血管内治療では,連続36例計51病変では成功率100%で合併症はありません(Circ J 2011;75:179-84).平均クレアチニン濃度も,治療前2.1±1.4,治療後2.0±1.4,3ヵ月後2.1±1.6 mg/dlで変化はありませんでした.ただし医療用炭酸ガスが血管内投与の適応を取得するか,学会ガイドラインに明記されるまでは,各施設毎に倫理委員会の承認を受ける必要があると思われます.

(投稿者 川崎)

2024-12-07

永久気管孔 Permanent tracheostoma

  • 呼吸のために気管を頚部の皮膚に縫合して造られた孔
  • 気管切開とは異なり気管と食道が完全に分離している
  • 喉頭全摘後や重度の嚥下障害に対する誤嚥防止で造設

💣 重要ポイント
  • 患者の呼吸は永久気管孔のみで行われるため永久気管孔を塞いではならない
  • 補助換気や気道確保が必要な場合は,永久気管孔から行わなければならない
  • 2010~2023年に永久気管孔の事故が10件(補助換気に関連した8件の分析↓)


(投稿者 川崎)

2024-12-04

Flip-flop fungus sign 逆パターン真菌サイン

flip-flopは「宙返り,とんぼ返り」でfungusは「真菌」.真菌感染症などの良性肉芽腫性病変ではFDG PET/CTで転移性肺癌に類似することがある.しかし肺結節(下図のnodule)と同等かそれ以上のFDG活性を示すリンパ節(下図のnode)が存在することが多い.これは肺癌とは逆でFlip-flop fungus signと呼ばれている.


Flip-flop fungus signを示した68歳男性
CTでリンパ節転移が認められ肺悪性腫瘍が懸念される.しかし右下葉の肺結節(矢印)より右下気管傍リンパ節(円)の方がFDG親和性が強い .生検の病理検査では壊死性肉芽腫であった.(引用:Am J Nucl Med Mol Imaging 2017;7:212-7)

👉 PETに関するの過去の投稿は コチラ

(投稿者 川崎)

2024-11-27

左脚領域ペーシングの予後

  • 近年,左脚領域ペーシング(LBBAP)が臨床現場に普及しつつあります.本邦から同手法を右室心尖ペーシング(RVAP)およびヒス束ペーシング(HBP)と比較検討した論文が出版されたのでアップしておきます. 

  • 対象 徐脈でペースメーカを植込んだ日本人424人を後向きに解析
  • 手技 成功率はLBBAP群の方がHBP群よりも高い(94.9%と81.5%)
  • 経過 閾値上昇>1VはLBBAP群でなし,HBP群9.4%,RVAP群5.1%
  • 予後 心不全入院の累積発生率はLBBAP群で有意に低率(下図参照)
  • 関連 予後不良因子は高齢,右室ペーシング割合,EF<50%,RVAP
  • 結語 RVAPやHBPと比較してLBBAPは徐脈患者のペーシングに有用


ペーシング方法と予後(右図はペーシング率>20%の症例)

👉 ペースメーカに関するの過去の投稿は コチラ

(投稿者 川崎)

2024-11-26

🏆 論文

  • 総合診療科の専攻医 國延先生が循環器内科で経験した症例が出版されました
  • 左鎖骨下静脈経由のペースメーカ植込み術後に両側の気胸が判明した症例です
  • 心房スクリューリードが原因?(ただし心エコーやCTで心嚢液や穿孔像なし)
  • 左側のみ胸腔チューブを留置し1週間後に抜去.その後に無事退院されました


😀 追加コメント
  • ペースメーカ植え込みに伴う気胸の発生率は1%程度と報告されています(引用).対側気胸の機序としてリード穿孔がありますが発生頻度は0.0001%未満(引用).
  • 他に胸膜内交通(バッファロー胸:先天性あるいは手術や外傷後),縦隔気腫や皮下気腫などが提唱されていますが,今回の症例ではどちらもありませんでした.

🎉「論文」の過去投稿は コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2024-07-17

Chen sign チェン徴候

  • 肺動脈狭窄の症例で認めることがある胸部X線での異常な所見
  • 肺血流の不均等な分布(特に肺底部/左肺優位で正常とは逆)
  • 由来は中国系米国人の放射線科医 Chen JT らの8例検討(※)
  • 左肺動脈は血流増加+狭窄後の影響で拡張すること有(下図)

Chen signを呈した二尖弁による肺動脈弁狭窄例
(CC BY-NC-SA 3.0: Radiopaedia)

💁 肺動脈弁狭窄に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2024-06-20

今週の一枚 🎯 漏斗胸:V1 ≒ aVR

検診で心電図異常を指摘された男性(無症状)

👶 解説
  • 前胸部に陥凹があり漏斗胸と判断
  • 心窩部に周期的陥凹もあり(矢印)
  • 橈骨動脈の拍動と一致し右室拍動
  • 本例は無症状で心エコー図も正常

😃 追加コメント
  • 漏斗胸では胸郭の前後径が小さくなり,右心系の異常がなくても明瞭な右室拍動をしばしば経験します(他の自験例:コチラ).三尖弁や僧帽弁の逆流を伴うこともありますが,本例くらいの漏斗胸で問題になることは少ないと思います.
  • 本例の受診契機は心電図異常でした.漏斗胸26例の手術前後での心電図検討:術後にII誘導のP振幅とV1のP陰性振幅が減少,平均QRS幅の減少,Sokolow-Lyon指数の減少,V4-V6のJ波が増加(J Electrocardiol 2016;49:174-81)   
  • 漏斗胸の心電図にはもっとピンポイント判定法があるようです.それはV1の陰性P+Qrパターン+陰性T波です(北海道医報 第1249号).V1電極がaVRと同じ角度になるからだそうです(なるほど&何事もその道の匠はすごい😳)

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(投稿者 川崎)