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2025-03-01

腎臓リハビリテーション

透析時運動指導等加算の算定要件の概要令和4年度
  • 人工腎臓を実施している患者に対して、当該指導を開始した日から起算して90日を限度として、75点を加算する。
  • 研修を受講した医師、理学療法士、作業療法士、看護師が血液透析中に連続20分以上実施した場合に算定できる。
  • 医師が診療録が必要で、1人当たりの患者数は1回15人程度(看護師は1回5人程度)を上限(入院患者は20人、8人)
  • 指導等に当たっては、日本腎臓リハビリテーション学会「腎臓リハビリテーションガイドライン」等を参照すること
  • 室内に心電図モニター、経皮的動脈血酸素飽和度、血圧計を有し,救命に必要な器具及びエルゴメータも望まれる
  • 当該加算を算定した日は、疾患別リハビリテーション料は別に算定できない(例:介護保険のリハビリテーション)


😐 追加コメント
  • 当院でも2025年1月から(遅ればせながら)算定を開始しました.しかし腎リハはあくまでも加算であり,従来のリハビリテーション料とは概念が全く異なるようです.よって心臓リハビリテーションなど既に疾患別リハビリテーションが算定可能な場合は,そちらを優先したほうがいいそうです.あくまでも疾患別リハビリテーションを算定できない施設や症例を対象に算定する事を想定しているようです.

(投稿者 川崎)

2024-12-20

二つのボルグ指数

📳 ボルグスケール(Borg scale) 
  • 主観的運動強度で主観的感覚を6-20までの15段階で評価
  • 点数の約10倍が心拍数で11~13が嫌気性作業閾値に相当
  • スウェーデンの心理学者 Gunnar Borg が1970年に開発

📴 修正ボルグスケール(modified Borg scale)
  • 呼吸器疾患などでは心拍数が運動強度とあまり相関せず
  • その問題を解決するため0-10に0.5を加え12段階で評価
  • 心拍数より動脈血酸素飽和度や血中乳酸濃度を反映する
  • Borgスケールを開発した Gunnar Borg が1980年に開発

(投稿者 川崎)

2024-07-23

RMアールエム PREピーアールイー 

📛 大動脈解離後(亜急性期~慢性期)の目安
  • 運動 ➜ 中等度の有酸素運動(3~5MET)30分/日を150分/週以上行うこと(推奨=ハイキング・スノーケリング・ゴルフ・テニス・サイクリング・12 RM以上のウェイトトレーニング/非推奨=ウェイトリフティング・競技スポーツ・最大筋力を用いた運動・1~11RMのウェイトトレーニング
  • 日常 ➜ 通常生活に制限なし(ただし適切な発症後のリハビリテーションを経た症例)/セックス・階段昇降・ガーデニング・買い物・旅行(飛行機,20kgまでの重量物の運搬)の制限はない


💪 RM(repetition maximum)最大反復回数
  • 例えば懸垂が10回はできるが11回は無理なら,懸垂は10RMのトレーニングになる.初回の算定は問題なく10回筋収縮をさせることが可能な低い負荷量から初め,少しずつ負荷量を増やし,それぞれ10回筋収縮を行い,10回以上収縮不能なところで10RMを決定.

☆ PRE(progressive resistive exercise)漸増抵抗運動
  • 徐々に負荷量を増やして等張性収縮を繰り返し,筋力増強を図る方法.この時に上記のRMと実施頻度に基づいて運動処方が行われる.これは筋力(power)と持久力(endurance)は訓練法が異なるため(高負荷・低頻度で筋力が,低負荷・高頻度で持久力が得られる).

参考)日本リハビリテーション医学会 質問箱:PRE

(投稿者 川崎)

2023-09-23

リカンベント Recumbent bicycle

  • recumbent【形】仰向けの,横向けの,臥位の,横臥の
  • 背もたれ付きシートに坐り足を前方に向け行う屈伸運動
  • 脚力の伝達効率が安定しているため長時間の運動も可能
  • 通常の自転車に比べ前面投影が小さく空気抵抗が少ない
  • セミリカンベント型自転車エルゴメータはリハでも多用
自転車エルゴメータ(左)やリカンベント(中央・右)を用いた有酸素運動

(投稿者 川崎)

2022-08-02

きゅうそくきん & こそくきん

😀 呼吸筋=吸息筋+呼息筋
  • 吸息筋 ➜ 横隔膜や傍胸骨肋間筋,外肋間筋,胸鎖乳突筋など
  • 呼息筋 ➜ 腹筋群(腹横筋や内外腹斜筋など),内肋間筋など 


👀 臨床現場
  • 心臓リハビリテーション中に理学療法士の先生と呼吸に関する話をしていました.その時に「きゅうそくきん」や「こそくきん」と言われ,ピンと来なかったので教えてもらいました.そもそも呼吸筋が吸息筋と呼息筋に二分できることも知りませんでした.生涯学習です.

💁 筋肉に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2022-02-18

バーピー Burpee

  • 米国の生理学者である Royal Huddleston Burpee(1898–1987)が1930年代に考案(
  • 特殊な器具は不要で,瞬発力と敏捷性を高めながら短時間で効率的よく脂肪を燃焼可能
  • 1942年にアメリカ軍がフィットネステストの一環としてバーピーを運動として採用した
  • バーピー(Burpee)では分かりにくいので,バーピー運動(Burpee exercise)とも言う

実際の方法
  1. 立っている状態からスタート
  2. 手を地面に付ける(しゃがむ)
  3. 足を後ろに進展(開閉は自由)
  4. 足を戻す(腕は伸ばしたまま)
  5. 立ち上がる(ジャンプも可能)

Taco fleurによる実演:ウィキペディア

(投稿者 川崎)

2020-10-16

改良版指輪っかテスト Modified finger-ring test

重症心不全で悪液質の症例

👌 改良版指輪っかテスト陽性
  • 指輪っかテスト(finger-ring test)はサルコペニアの有無を判断する簡便なテストで,下腿の最大径部を患者さん自身の母指と示指で作った指の輪っかで囲めれば陽性(以前の投稿).本動画のように足首から膝下まで指輪っかを移動できるかどうかで判定するとより分かりやすいと思う.

😸 独り言
  • 指輪っかテストは下腿の最大径部を指で囲むだけであるが,最大の部位が意外に分かりにくい.しかし,この改良版ならより簡単に判定することができると思う.リハビリテーションの効果をみる方法として患者さんに伝えれば,モチベーション維持に役立つかも.

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2020-04-13

老嚥(ろうえん)Presbyphagia

  • 健常高齢者で嚥下機能が低下した病態で別名は嚥下フレイルやオーラルフレイル
  • 老嚥の原因は嚥下関連筋群のサルコペニアや味覚・嗅覚の低下,口腔内乾燥など
  • 老嚥スクリーニングには10項目の質問で構成されるEAT-10(イートテン)が有用
  • 嚥下障害とは異なり嚥下食等の特別な食事は必要ないが進行することあり(下図)


😎 関連投稿(嚥下編)

(投稿者 川崎)

2020-02-09

SPPB: Short Physical Performance Battery

🔎 概略
  • 地域高齢者を対象とした身体機能のスクリーニングテストの一つ
  • 米国の理学療法士Puthoffが開発(Cardiopulm Phys Ther J 2008;19:17–22)
  • 立位テスト,4m通常歩行テスト,5回の椅子起立着座テストで構成
  • 短時間に安全かつ簡便に施行可能/死亡率や施設入所を予想できる
  • 各項目をO~4点に分類してその合計点がSPPB得点(低いほど悪い)

本邦の地域在住高齢者の現状に合わせた修正版SPPBもある

🉐 関連投稿(運動編)

(投稿者 川崎)

2019-10-20

「心大血管疾患リハビリテーション料」の対象疾患

心不全の心臓リハビリテーション標準プログラム(2017年版)より(6ページを一部改変:平成26年度診療報酬改定)

急性の病態(術後を含む)
  • 狭心症
  • 心筋梗塞
  • 開心術後
  • 大血管疾患(大動脈解離,解離性大動脈瘤,大血管術後)

慢性の疾患
  • 慢性心不全:LVEF≦40%,peakVO2≦80%,BNP≧80pg/mL のいずれかを満たす
  • 末梢動脈閉塞性疾患:間歇性跛行を呈する状態

👶 おまけ
  • 心不全の心臓リハビリ適応にNT-proBNPのカットオフ値は(なぜか)記載されていない.一方,急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)の図6には『NT-proBNP≧400pg/mLまたはBNP≧100pg/mLなら治療対象となる心不全の可能性があるので精査あるいは専門医に紹介』と記載されている.NT-proBNPとBNPの比が4倍であることを考慮すると,心不全に対する心臓リハビリはNT-proBNP≧320pg/mLあたりが妥当かも・・・

関連投稿 🉐

(投稿者 川崎) 

2019-08-07

Dynapenia ≠ Sarcopenia


ただし欧州ワーキンググループ(EWGSOP)やアジアワーキンググループ(AWGS)は,加齢に伴う筋量(四肢筋量)の減少,筋力(握力)ならびに身体機能(歩行能力)の低下を用いて複合的にsarcopeniaを定義することを提案している(体力科学 2016;65:491-501).

おまけ 💨
  • サルコペニアと肥満を合併したサルコペニア肥満(Sarcopenic obesity/低筋肉型肥満)は,要介護状態・歩行障害・転倒・骨密度低下・低栄養・インスリン抵抗性・拡張期高血などのリスクが単なる肥満やサルコペニアよりも高いことが知られている(日老医誌 2012;49:210―3).

🉐 関連投稿

(投稿者 川崎)

2019-04-09

心臓リハビリ

  • 心臓リハビリの集団運動療法は200m平地歩行が可能になった段階で導入することが多い
  • バーセル指数は歩行能力も含む基本的生活動作レベルADLを反映して問診で算出可能

当院で心臓リハビリを導入した223例での上記2指標の関係

  • 200m歩行が可能な111例では,その内96例(86.4%)でバーセル指数が90点以上
  • 200m歩行不能な112例でバーセル指数が90点以上は僅か13例(11.6%)(p<0.01)

👴 解釈

両指標に明らかな解離を認める.これはバーセル指数の評価項目の一つに歩行に関する質問(45m以上の歩行あるいは介助歩行の可否などで100点中15点分)が含まれることを考慮しても興味深い.

200m歩行の可否は心臓リハビリには重要なポイントである.つまり200m歩行可能 ➜ 監視下集団運動療法の導入 ➜ 心疾患罹患後の予後改善へと繋がっていくことが想定される.

バーセル指数が,歩行テストよりも安全かつ簡便であることは述べるまでもない.200m歩行が不能でもバーセル指数が高値であった症例では,より積極的な介入で200m歩行可能なレベルまで運動機能を向上させることが出来るかもしれない.

🉐 関連投稿

(投稿者 川崎)

2018-10-26

5m歩行テスト 

高齢者の歩行能力を評価する非常に簡便な方法で,英名は5-meter walk test (5MWT)

  • 内容 5mの距離を歩行するのに要する秒数(通常歩行と最大歩行の時間を測定)
  • 方法 3m+5m+3mの直線で中間の5mに要した時間を測定(2回実施し走らない)
  • 目安 5秒以内(つまり1m/s以上の歩行速度) ➜ 横断歩道を渡りきることが可能
  • 平均 標準値例:80-84歳男性なら通常歩行4.1-6.8秒,最大歩行2.4-4.6秒(参照

👴 サルコペニアの診断基準(歩行速度0.8m/s以下)やフレイルの診断基準(歩行速度1m/s以下)にも含まれているよ!

(投稿者 川崎)

2018-10-08

サルコペニア 

  • 定義 高齢期にみられる骨格筋量の低下と筋力もしくは身体機能(歩行速度など)の低下
  • 語源 ギリシャ語の筋肉(sarx)と喪失(penia)から作られた造語
  • 提唱 米国の医師Rosenberg(Sarcopenia: origins and clinical relevance. J Nutr 1997;127:990S-1S
  • 分類 加齢が原因の一次性サルコペニアと加齢以外にも原因がある二次性サルコペニア
  • 頻度 一般高齢者の6-12%で糖尿病やCOPDなどの慢性疾患を合併すると頻度は上昇
  • 関連 フレイル3要素の中で身体的フレイルの主原因として注目されている


  • DXA=dual energy X-ray absorptiometry(二重エネルギーX 線吸収法)
  • BIA=bioelectrical impedance analysis(生体インピーダンス法)

当院では体成分分析装置 InBody で筋肉量を判定することができます
💪 骨格筋量指標(SMI)=四肢の筋量重量(≒除脂肪重量)/身長2

(投稿者 川崎)

2018-05-17

心不全症例の運動耐容能指標の対比の目安

NYHA心機能分類 身体活動能力指標
(SAS)
%最高酸素摂取量
(%peak V()O2)
6 METs以上 基準値の80%以上
3.5~5.9 METs 基準値の60~80%
2~3.4 METs 基準値の40~60%
1~1.9 METs以下 施行不能あるいは基準値の40%未満

参考資料 急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)(2018年5月閲覧)

👉 おまけ
  • 運動耐容能を運動耐用能と間違わないように(漢字は常に難しい
  • 読み方もたいおうのうと間違わないように(正解はたいようのう 👀)

(投稿者 川崎)

2018-03-30

心不全の急性期離床プログラム

ステージ 1 ステージ 2 ステージ 3 ステージ 4 ステージ 5 ステージ 6
許可される安静度 ベッド上安静 端坐位 室内自由 トイレ歩行 棟内自由
(80mまで)
棟内自由
リハ実施場所 ベッド上 ベッドサイド ベッドサイド 病棟 病棟(リハ室) 病棟(リハ室)
目標座位時間
(1日総時間)
ギャッジアップ 1時間 2時間 3時間 3時間 3時間
ステージアップ 端座位 歩行テスト
自由速度10m
歩行テスト
自由速度40m
歩行テスト
自由速度80m
歩行テスト
自由速度80m×2-3回
6分間歩行テスト

🐧 ポイント
  • ステージ終了負荷試験で血行動態が安定していれば次のステージへ進むことが可能
  • 6分間歩行テストで300m程度の歩行ができればステージ6を終了して運動療法を導入
  • 軽症や若年例などではステージをスキップしたり6分間歩行距離をせずに CPX も可能

(投稿者 川崎)

2018-03-10

カーフ・レイズ Calf raise

腓腹筋の筋力を増加させるトレーニングの基本的種目の1つ
calf 【発音 kɑːf/kǽf】(名)ふくらはぎ,子牛 実際の発音

  • 自重あるいはウエイトなどの抵抗に抗して足首を屈伸させ爪先立ちになることを繰り返す
  • 立位や座位,両足や片足,ウエイトとしてチューブ・バーベル・ダンベル・スミスマシンなど

(投稿者 川崎)

2018-01-16

バーセル指数 Barthel Index

  • 日常生活動作activities of daily living (ADL)の客観的評価法
  • 5点刻みの100点満点で高得点であるほどADLが高いことを示唆
  • Barthelらが半世紀以上前に開発(Md State Med J. 1965;14:61-5


👴 最近読んだ循環器系雑誌 Circulation Journal で Barthel Index が立て続けに使用されていた
  1. Barthel Index and Outcome of Open Bypass for Critical Limb Ischemia. Circ J. 2017;82:251-7.
  2. Association Between Preoperative Frailty and Mortality in Patients With Critical Limb Ischemia Following Infrainguinal Bypass Surgery - Usefulness of the Barthel Index. Circ J. 2017;82:267-74.
バーセルインデックス バーセル インデックス
(投稿者 川崎)

2017-10-06

FIM 機能的自立度評価法

FIM=functional independence measure
具体的に自力で行える日常生活活動(ADL)の評価方法
米国のリハビリ医Granger CVらが1980年代に開発(Adv Clin Rehabil. 1987;1:6-18

FIM質問表は運動項目13項目と認知項目5項目の計18項目から構成されている
各項目を全介助1点〜完全自立7点の7段階で評価(最低点18点~満点126点)


具体的な判定方法 ⇒ FIMの評価方法と点数付けに必要な基礎知識 or FIMによる評価マニュアル

(投稿者 川崎)