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2024-12-31

H/CL:ATTR心アミロイドーシスの診断

  • ATTR心アミロイドーシスの診断はシンチグラフィ(99mTc-PYPまたは99mTc-HMDP)で視覚的にGrade 2もしくはGrade 3の集積とすることが多い.
  • 正面プラナー画像で心臓に相当する部位へ関心領域(region of interes: ROI)を置き , 対側の下肺野領域で同サイズのROIで判断することも可能
  • その場合はheart-to-contralateral(H/CL)比が、1時間後像で>1.5、3時間後像なら>1.3で陽性と判断.なおH/CL比>1.6は独立した予後不良因子
  • 現場では投与1時間後像で評価していることが多いと思われる(当院も1時間後).1時間後像は検出感度が向上し、3時間後像は検出特異度が向上



👉 アミロイドーシスに関するの過去の投稿は コチラ

(投稿者 川崎)

2024-11-20

ATTR心アミと骨シンチ


- ATTR心アミロイドーシスのシンチグラフィ -
99mTc-PYP
(pyrophosphate)
99mTc-HMDP
(hydroxymethylene diphosphonate)
臨床現場での名称
  • ピロリン酸(DI
  • 骨シンチ or クリアボーン(DI
心臓の効能又は効果
  • 心シンチグラムによる心疾患の診断
  • 心アミロイドーシスの診断に対する使用を審査上認める(令和4年2月:
剤型
  • 粉末キット(生食で溶解し約30分後に投与)
  • 注射液製剤(調整不要)
吸収線量
  • 0.120 mGy/37 MBq(全身)
  • 0.119 mGy/37 MBq(全身)
費用:薬価基準+検査診察報酬点数
  • 24,554円(740 MBq注射液)+1,800点
  • 22,422円(555 MBq注射液)+1,800点
販売元



おまけ 💫 会社沿革
  • PDRファーマですが何度か社名が変更されています(引用).1968年に第一製薬グループと米国マリンクロット社の合弁会社として設立.2006年に第一製薬より富士フイルムへ全株式譲渡し2007年に富士フイルムRIファーマへ.その後に富山化学工業と統合し富士フイルム富山化学を経て2022年からPDRファーマです.
  • 日本メジフィジックスは1973年に米国メジフィジックスと住友化学工業(現住友化学),住友商事の合弁会社としてスタート(引用).その後にメジフィジックス社が資本撤退して日本ロシュが資本参加(後に撤退).1994年に英国のアマシャム社が資本参加し1996年に住友商事が撤退.2004年にGEがアマシャムを買収し現在の2社の出資(住友化学とGEヘルスケア)に至るようです.

(投稿者 川崎)

2023-06-22

今週の一枚 🎯

肺高血圧が疑われる症例の肺血流シンチグラフィ




(投稿者 川崎)

2023-06-04

放射線:単位 あれこれ

☆ ベクレル(Bq)
  • 放射性物質が1秒間に崩壊するときの数で,放射能の強さ(≒吸収線量)を表す単位.由来は放射線(アルファ線)を発見したフランスの物理学者 アンリ・ベクレル(Antoine Henri Becquerel, 1852-1908)

★ グレイ(Gy)
  • 放射線のエネルギーが物質にどれだけ吸収されたかを表す吸収線量の単位.由来は放射線の生体への影響を研究した英国の物理学者 ルイス・ハロルド・グレイ(Louis Harold Gray, 1905-1965)

☆ シーベルト(Sv)
  • 被曝による生物学的影響の大きさで,等価線量と実効線量の単位.由来は放射線が人体に与える影響を研究したスウェーデンの物理学者 ロルフ・マキシミリアン・シーベルト(Rolf Maximilian Sievert, 1896-1966) 

【等価線量】equivalent dose
  • 吸収線量(Gy)に放射線毎に定められた荷重係数を乗じたもので組織・臓器ごとの影響を表す(Sv) 

【実効線量】effective dose
  • 等価線量(Sv)に組織別に定められた組織荷重係数を乗じて合計した値で全身への影響を表す(Sv)


💁 放射線に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2022-12-25

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

書籍(非売品)
表紙(表,背,裏)・序説・あとがき

序説

 心臓核医学検査は、循環器診療の有用な検査法の一つとして確立され、診断、病態評価、治療法の選択、予後評価に寄与している。
 1970年代からTl心筋シンチグラム(心筋血流)と心プールシンチグラフィ(心機能)を二本柱として発展してきた。後者の検査頻度は少なくなったが、1990年台からMIBG(心臓交感神経機能)、BMIPP(心筋脂肪酸代謝)、MIBI/tetrofosmin(心筋血流)が登場し、目的に応じて使い分けられている。最近、骨シンチグラム製剤であるPYPが急性心筋梗塞のみならず、トランスサイレチン型心アミロイドーシスの診断に感度・特異度が優れることが報告され、検査件数が増加している。
 京都府立医大付属病院で約20年、パナソニック健康保険組合松下記念病院で約20年の計40年あまり心臓核医学検査に携わってきた。現在なお運動負荷心筋イメージングおよびその診断に従事しているが、時折輝く画像に出会い、胸をときめかせている。
 主治医の依頼に応じ、診療に役立つイメージングをし、的確な診断をすることが最も大切であることは言うまでもない。当初は画像がnuclearならぬunclearと揶揄されたが、機器の進歩もあり、最近はnew clearと評価されているらしい。
 心臓核医学のそれぞれの核種による画像には典型例、希少例、自慢例があり、著者の性格上、後二者を中心に循環器専門医のみならず、レジデント、研修医にも見ていただきたいと思い、本書を手掛けた。ややとっつきにくく、敬遠されがちなこの分野に少しでも興味を持っていただくには、画像を見て“interesting”と感じてもらうのが一番と考えた。
 心臓核医学画像は基本的には集積低下/欠損を判定するものであるが、補助情報を加えて読影し、さらに臨床所見、心電図、心エコー、冠動脈造影などを組み合わせることにより、その画像がとても優雅に見えることがある。アイソトープを注射して撮像するという単純な検査であるが、時にとっさのひらめきによる工夫で磨かれた画像になることもある。
 提示された画像を優雅と感じるか否かは、読影者の知識・感性・努力・追及心に大きく左右される。優雅な心筋イメージングを見出す“匠”になったつもりで、画像を集めてみた。40年の歴史故、セピア色と化した画像が含まれることも味わっていただきたい。唯我独尊、自画自賛、尊大不遜との批判を覚悟の上である。
 “心臓核医学の基礎・研究および一例一例を大切にすること”をご指導していただいた足立晴彦先生(なかつかさ・足立医院)に深謝する。また、後輩でありながら常に循環器病学の最新情報を教示していただき、自由に心臓核医学検査を続けさせていただいた川﨑達也先生(パナソニック健康保険組合松下記念病院副院長)に謝意を表する。京都府立医大 旧第二内科で心臓核医学の臨床・研究をともにした鳥居幸雄、宮永一、中川博昭、窪田靖志、稲垣末次、中川達哉、片平敏雄、志賀浩治、馬本郁男、原田佳明、大槻克一、谷口洋子、伊藤一貴、寺田幸治、松本雄賀、中村智樹、米山聡嗣、木下法之、足立芳彦、阪本健三、松下記念病院でともに循環器診療を楽しんだ高橋 徹、川崎信吾、神谷匡昭、万井弘基、肌勢光芳、坂谷知彦、宮井信幸、谷口琢也、三木茂行、浅田聡、山野倫代、赤壁佳樹、階元 聡、張本邦泰、酒井千恵子、本田早潔子、松木あゆみ、川俣博史、車古大樹の諸先生に感謝したい。さらに、常に読影に最適な心筋イメージングを作成していただいた松下記念病院RI検査室の放射線技師、鹿園貴士、廣谷有立、高田春彦、中井恵莉、出口紘平の諸兄に感謝する。最後に本書の出版にあたり、終始多大なるご協力をいただいた株式会社朝陽堂会長高橋東作氏(幼稚園から高校までの同級生)に謝意を表したい。

あとがき

 最後まで見ていただいたことに感謝する。
 一枚でも二枚でもinterestingと感じていただく画像があったなら幸いである。
 書き終えると、冠攣縮、肥大型心筋症、完全左脚ブロック、PESP、心房がよく登場し、通常の心臓核医学の成書とはかけ離れる内容であることを再認識した。心臓核医学の分野もデータ・診断の標準化がすすんでいると耳にする。標準化は重要なことであるが、心臓核医学を斜めから見て楽しむことも忘れないでいただきたい。
 本書は京都府立医大旧第二内科→循環器内科の心臓核医学部門の歴史を物語る一冊としての画像集になったとも言える。心臓核医学は循環器診療の一つの検査法にすぎないが、その一枚の画像を大切にする心を持ち続けることが、診療の質を高めるだけでなく、新たな発見を世界に発信することにつながると信じている。医者として、循環器内科医として、40年以上の長きにわたり心臓核医学に従事できたことを幸せに思っている。

※「輝きを放つ一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 杉原)

2022-12-18

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

肥大型心筋症の心内膜下虚血
肥大型心筋症の心内膜下虚血に関連する事項
Kawasaki T & Sugihara H : J Cardiol ;63:89-94 ; 2014



(投稿者 杉原)

2022-12-11

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

肥大型心筋症における運動負荷FDG
肥大型心筋症の運動負荷直後FDG投与イメージング
Yamano M et al : Heart ;95:1051 ; 2009



(投稿者 杉原)

2022-12-04

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

AMIにおけるPCI直後のPYP
急性心筋梗塞で来院時のtetrofosmin像とPCI直後の PYP像(上)とPCI中の冠動脈造影と心電図(下)
伊藤一貴先生(伊藤クリニック)提供



(投稿者 杉原)

2022-11-27

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

横紋筋融解症
Tc-99m-PYPの全身像
Honda S et al : Intern Med. ;56(10):1175-1178 ; 2017



(投稿者 杉原)

2022-11-20

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

心アミロイドーシス合併AMI
急性心筋梗塞症の心電図とTl/PYP dual SPECT
済生会滋賀県病院循環器科提供



(投稿者 杉原)

2022-11-13

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

心アミロイドーシス 2
Tc-99m-PYPを用いた冠状面断層のイメージング



(投稿者 杉原)

2022-11-06

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

心アミロイドーシス 1
Tc-99m-PYPシンチグラム(上)と心エコーの経年変化(下)
Ego K et al : 松仁会雑誌59(2) : 94-99, 2020



(投稿者 杉原)

2022-10-30

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

三枝病変例での全周性梗塞
Tl/PYP dual SPECT
Kawamata H et al : Asia Ocean J Nucl Med Biol ; 8(1):69-73.;2020



(投稿者 杉原)

2022-10-23

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

急性大動脈弁逆流症
Tl/PYP dual SPECT
Y Sato et al. Open journal of clinical and medical case reports 2:1080; 2016



(投稿者 杉原)

2022-10-16

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

大動脈弁狭窄症
Tl/Tc-99m-PYP dual SPECTおよび緊急冠動脈造影とその時の左室・大動脈圧波形
Yamano T et el. Clin Nucl Med. 2008;33:416-418



(投稿者 杉原)

2022-10-09

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

左房梗塞?
急性心筋梗塞発症4日目(A)と14日目(B)のHMDP
シンチグラムplanar像(上)とFirst Pass(下)



(投稿者 杉原)

2022-10-02

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

右室梗塞
PCIに成功した急性心筋梗塞症のTl/PYP dual SPECT



(投稿者 杉原)

2022-09-25

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

褐色細胞腫
褐色細胞腫の手術前の腹部背面像(投与24時間後)と手術前後の心臓I-123-MIBGシンチグラム(15分後と4時間後像)
松本雄賀、他 : 核医学 32: 1023-1028 ; 1995



(投稿者 杉原)

2022-09-18

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

心尖部肥大型心筋症
心尖部肥大型心筋症の運動負荷Tl心筋SPECT(左)およびMIBGの初期像、後期像、Bull's eye表示(右)



(投稿者 杉原)

2022-09-11

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

無集積
BMIPP心筋イメージングのplanar像(上)と別症例のTl/BMIPP同時投与によるplanar像とSPECT像(中)、および後者に施行したFDG-PET像(下)



(投稿者 杉原)