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2017-01-31

心電図の歴史 (心電塾より)

心電図の各誘導が作られた順番は?


(投稿者 川崎)

2017-01-30

POTS ポッツ

体位性起立頻脈症候群 postural orthostatic tachycardia syndrome
Rosenらによって提唱された観念(Rosen SG and Cryer PE. Am J Med 1982;72:847-50)
当初はPostural tachycardia syndromeと命名されたが1993年にPOTSに変更された

  • 症状 起立時・食後・運動後の動悸やふらつき,疲労感,立位不耐症
  • 疫学 15~50歳で男女比は1:4~5,慢性疲労症候群例の25~50%
  • 機序 静脈還流量の減少に伴う自律神経活動の不適切な応答
  • 診断 起立で低血圧を伴わない心拍数の増加(30/分以上)
  • 治療 増悪因子(脱水や貧血など)の除去,塩分摂取,筋トレ,α刺激薬など

(投稿者 川崎)

シェロングテスト Schellong test

自律神経異常や循環血液量の減少を判断するための簡易な立位試験(ミニチルト試験とも言われる) シェロング
臥位から立位の体位変換で約500~800mlの血液が胸腔内から腹部や下肢へ移動することを利用

方法の1例
  1. 10分間の安静臥床後に血圧と心拍数を測定
  2. 起立直後,3分後,10分後に血圧と心拍数を測定

陽性基準  (Consensus statement. J Neurol Sci 1996;144:218-219)
  • 収縮期血圧が20mmHg以上の低下
  • 収縮期血圧の絶対値が90mmHg未満に低下
  • 拡張期血圧が10mmHg以上の低下

結果の解釈

(投稿者 川崎)

2017-01-29

腎機能で調整不要な抗菌薬

 答えはコチラ ⇒  ・CTRX セフトリアキソン(セフェム系第三世代,ロセフィンなど)
 ・CLDM クリンダマイシン(リンコマイシン系,ダラシンなど)
 ・EM エリスロマイシン(マクロライド系,エリスロマイシンなど)
 ・MINO ミノマイシン(テトラサイクリン系,ミノサイクリン注など)
     (※透析中の末期腎不全では必ずしもこの限りではありません)

(投稿者 川崎)

グラム陽性桿菌

抗生剤を使用後に下痢を発症した症例の便培養グラム染色


グラム陽性桿菌と言えばコリネバクテリウム(V字型が特徴)やクロストリジウム,バチルスなど
いずれの細菌も常在菌であり,免疫不全状態や抗菌薬投与による菌交代がなければ発症することは稀

本例のように大型(太鼓ばち様)であればクロストリジウムかバチルス(グラム染色での鑑別は困難)
クロストリジウムは偏性嫌気性であり酸素下では死滅あるいは芽胞を形成.一方バチルスは好気性菌

※本例の最終診断はクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)による偽膜性腸炎

(投稿者 川崎)

2017-01-28

アレンテスト Allen's test

橈骨動脈と尺骨動脈のループ(いわゆる手指の動脈の二重支配)の有無を確認する非侵襲的方法
橈骨動脈から心臓カテーテルを行う前や動脈モニターのカニュレーションを施行する前に確認する

命名は米国の医師Edgar Van Nuys Allen (1900-1961) に由来 (Amer J Med Sci. 1929;178:237)

(Public domain)

実際の方法の1例
  1. 片方の上肢の橈骨動脈と尺骨動脈を手首あたりで同時に圧迫する
  2. 手の開閉を10回程度繰り返した後に開く(手掌の蒼白化を確認)
  3. 尺骨動脈の圧迫を解除し10秒以内に赤みが戻れば陽性(=正常)

トリビア
  • アレン原法では両側上肢を同時に確認.現在の片方毎の評価は修正アレンテストModified Allen's test
  • アレンテストは陽性=正常だが,医学では陽性=異常が多い(負荷心電図やティルトテストなど)

(投稿者 川崎)

グラム染色クイズ

肺炎球菌肺炎と診断された症例の喀痰グラム染色像.その診断は?


グラム陽性桿菌かつ一部の菌が示す特徴的な配列(V字型)から培養前に診断できる
本例は免疫不全状態ではないため肺炎球菌肺炎に主眼をおいて治療を行い治癒した
(投稿者 川崎)

2017-01-27

松下金曜会 「乳房愁訴」

乳房愁訴のレッドフラッグと重篤な原因
  1. 皮膚の潰瘍,肥厚 ⇒ 炎症性乳癌,乳房膿瘍
  2. 腋窩腫瘤 ⇒ 乳癌
  3. 血性乳頭分泌 ⇒ 乳癌
  4. 新たな呼吸器症状,骨痛,頭痛などの全身症状 ⇒ 転移性乳癌
参考書籍:「聞く技術 答えは患者の中にある」

(投稿者 川崎)

第18回 松下バイリンガルカンファレンスより

”have”はとても便利な動詞で,日常会話以外に学会や論文でも使用できる
一方,"get"や"take", "give"は口語では便利だが,論文ではあまり見かけない

その患者は喘息の持病があった ⇒ The patient had asthma.
彼には心臓病の家族歴があった ⇒ He had a family history of heart disease.
彼女にはピリン系アレルギーがありました ⇒ She had an allergy to penicillin.

(※発音注意:allergy, penicillinheartは大きく口を開けないとhurtと聞こえる)

(投稿者 川崎)

2017-01-26

バクテロイデス・フラジリス

Bacteroides fragilis group 嫌気性菌の代表で正常糞便菌叢の95%を占める
通常は病原性を有しないが,免疫力が低下した宿主では日和見感染症を引き起こす
バクテロイデス・フラジリス感染を疑うのは膿瘍や腹腔内感染,骨盤内感染症などの場合

嫌気性菌(Bacteroides fragilis groupを含む)に効く抗菌薬
 ⇒ メトロニダゾール,βラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン,カルバペネム系など

(投稿者 川崎)